SSブログ

札幌大谷大学音楽学部立ち上げの記 [音楽大学]

 この少子化の時代に新しい音楽大学を立ち上げる、というのは正気の沙汰ではないように見えるのだが、この4月から札幌にタイトルのような音楽大学が立ち上がることになった。少子化にもかかわらず、理事会側は長年検討の結果、北海道にこれまで一つも音楽大学がないので、それなりの需要は見込める、という結論に達したことと、短大そのものが先細り傾向にあるので、このままでは学校そのものが将来立ちゆかなくなるかもしれないという危機感があって、いわば背水の陣なのである。

そのため私はもう今年に入ってからもずいぶん何度も札幌を往復しているのだが、先日入学試験も済み、ともあれ、当初の予定の学生募集人員もなんとか確保することが出来て大学としての格好はつき、4月からスタートすることになった。大学を立ち上げるというのはこんなに大変なんだ、というのを私は見たことがなかった。現在そこには短大で音楽科、美術科,保育科があるのだが、短大とはまったく別物になるとはいえ、短大の音楽科の先生たちも事務員も目下文字通り不眠不休で準備に追われている。

あたらしい校舎の建設(しかも3月10日現時点でまだ完工していない)、あたらしい教授陣の確保、楽器や家具その他の備品類の選定、購入、カリキュラムや教室の点検、などなど仕事は限りなくあり、しかも期限が限られている。毎日が戦場のような状態なのだ。これまで私はいくつもの大学に関係してきたが、それらはどれも、もともとある路線の上に乗っかるだけだからまあ何と云うことはなかった。
 こういうまったくあたらしい仕事というのは経験したことのないスリリングなものだ。昨日は
後の入試判定の結果を出したあと、家具屋がやってきて、どこの教室にどういうi色や形の机やいすを入れる、ということを図面とにらめっこしながら一つ一つ決める、しかも全体の予算が決まっていてその中でやらなければならない、ということで担当の先生は死ぬ思いなのだ。何しろものすごく分量が多い上、個人レッスンの部屋などはそれぞれ先生の個別の要望があって、全部一律、というわけに行かない。
4月3日学園開設100周年記念、と大学開設、という二つの大きな行事があり、学校始まって以来の大行事。どうなる事やら。失敗は許されない。4月から学部長に就任する。

その後の経過  3月27日現在
まだ竣工検査も完了せず、ものも運び込めないでいる。いったい間に合うんでしょうかね。でもこれは日本のお家芸で、いよいよ最後の最後で徹夜してでもだいたい何とかなるものだが、今回も果たしてうまく行くかどうか。ピアノはぼつぼつ運び込まれている。
開学、入学式などの手順を学長とともに詰める。演奏する音楽に関してはだいたい手順は整っている。式次第の中では仏教の聖歌集(キリスト教でいうと賛美歌にあたるようなもので、けっこういい曲も中にはある。その中から適当な曲を選び、私は学部長訓辞のかわりにピアノを何曲か演奏する。



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。