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高校の単位不足問題 [やつあたり]

 このところ全国の高校で必修科目の単位を意図的に無視していた高校で単位不足が大問題になっている。私はへそまがりだから、そもそもこんなものは問題にするにたりない、と思っている。文部科学省は理想論でカリキュラムを作るし、高校は受験対策があるから本音でやらざるを得ない。こうなるのは当然の帰結。

 私は子供の時から音楽家になる、と決めていたから私が小学校の時から徹底的に無視し続けたのは、数学。理科、体育、日本史、などである。音楽家になるには数学、理科は全く必要ない。足す、引く,かける。割る、くらいの計算が出来ればよいのだ。でも人は云う、「数学は論理思考を育てるのに役立つ」。しかし私は数学や理科で苦しめられ、無駄な時間は使わされたが、それで論理的思考は損なわれたとは思っていない。私は数学がいちばん不得手だった、と人に話をすると「あなたのような人一倍論理思考にたけた人が数学が不得手とは信じがたい」と不思議がる。体育も徹底的にさぼったが、それでも70までは生きたし、その間前立腺ガン以外大した病気もしていない。体育の時間も私には無駄だった。もっと勉強すべきだった、と後悔しているのは国語と英語くらいなもの。

 世界史は殆どやっていないが、それでもいまは私は世界史大好き人間。高校で世界史のつまらなさを教わらなかったおかげだと思っている。日本史もこの頃おそまきながら面白くなり始めた。私はドイツへ留学したとき、日本史の知識の不足を感じて、高校の日本史の教科書を家から送ってもらった。それで読んでみても、現在必要としている私が読んでさえじつにつまらん、と投げ出したくらいだから、無理にやらされる生徒にとって面白かろう筈がない。人間、「面白い」と思うことが出発点で、それがすべての進歩につながる。学校でやるべきなのは何故歴史が面白いか、ということを生徒に理解させること。そうすればあとはほっておいても自分で勉強する。

 我田引水、といわれそうだが敢えて云えば、芸術関連の授業や宗教、思想に関するいわば「人間は何故生きるか」という根本問題を教える時間はもっと必要だろう。但しこれらをうまく子供に教えることが出来る先生がどの程度いるかは疑問だが。

 私が音楽大学で学生を前にするとき、ピアノをどう弾けば上手になるかはあまり教えないが、西洋音楽の面白さをあらゆる方面から、私の知識を総動員して、何故ピアノが面白いか、をわかってもらうのに殆どの精力を使っている。これがわかればわかるほど技術的問題はだいたいのところは学生が自分で解決できる、と思うからだ。


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makkie60

このニュースが初めて話題になったのは10月24日火曜日。ちょうどカミサンの実家富山高岡に居た折で、正に御当地に滞在中!教育県を標榜する富山県、常に富山と高岡は何かにつけて対抗意識が一杯。その後の情報だと謝罪した高校には5000通超の抗議メールが来た由。”パンドラの箱”を開けた感じで密かに此処だけの筈はナイ!と思っていたら案の定、30日現在で殆んど全国にまたがり、440校以上しかも私学は強制調査外とのこと・・・マ例の”いじめ”報告ゼロを7年も放置しつつ、今回問題になるまで一向に対処しなかった教育委員会や文部科学省、この未履修問題も結局何年も前から知って居たそうで、今大学生や社会人になっている方々にも”卒業証書”が問題になるそうで、急遽強気だった文科大臣も態度を軟化した。飲酒運転も含めて、判らなければ構わないとの”既得権”世界が罷り通る世の中になったんでしょうかなぁー・・・何か寂しい思いの今日この頃です。ヤハリ”秋”なんだ!!   店子マッキー
by makkie60 (2006-10-30 19:39) 

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