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ドルムシュ(乗り合いタクシー) [交通一般]

 トルコに「ドルムシュ」という交通手段がある。街の要所要所に拠点があって、行き先別にお客を乗用車(場合によるとミニバス)に呼び込み、ある人数に達すると出発して、客の要望に応じて、多少の回り道もしてくれる、という便利なもの。客は降りるときに距離に応じて請求された額を払うが、これはほかの客も監視しているせいか、意外と料金は公正でタクシーのようにボラれる心配もなければ、チップのことを気にする必要もない。料金はバスよりは高いが、タクシーよりずっと安い。東京でも昔、深夜、上野駅などにたむろして、「カメキン、カメキン!」(亀戸、錦糸町方面)とどなって客を集めて相乗りをする違法タクシーがあったが、あれを法制化したようなものとおもえばいい。「ドルムシュ」は町中に限らず、都市間交通にもあって、これにはれっきとした大型バスを使うようなのもある。

 JR北海道の不通事故で考えた。札幌駅前に多数客待ちしているタクシーをあのような場合それに早変わりできないか。1台一人の運搬はおそろしく非効率でもあり、エネルギー、運賃、すべての面で無駄が多すぎる。例えば1台のタクシーに4人づつ乗れば、一人4000円くらいで新千歳までいけるし、あのような大混乱の中で有効な解決策と思うがどうか。私ばかりでなく誰でも考えつきそうなアイデアだがこんな簡単なことが実現しないのは、日本の利権が絡む縦割り行政のせいで、まあ実現は無理だろう。

 トルコのイスタンブールの場合は、地下鉄や、私鉄が網の目のように張り巡らされている東京とは違い、バスといくらかの電車以外、ほとんど交通手段のない大都会で発達した苦肉の策で、あまりほめられたものではないのだが、いくらか参考にする価値はあるのではないか。このドルムシュは交通不案内な外国人には至極便利で、私はトルコ旅行の際には各地でずいぶん世話になった。東京のように交通手段が発達していても、不慣れなひとには矢張り大変なのだ。

(追記)最近のイスタンブール事情には詳しくないが、最近は市電もかなり充実してきているようだ。とくに前にはなかったアジア側の街にも市電が導入され、多くはまだ単線で車両はドイツの中古ながら、ともかく西欧並みの交通機関が導入されつつある、となると東京はパリとともに世界でも市電後進国の一つといえるか。


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