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ショパンのコンチェルト弦楽4重奏版(2) [ショパン]

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 コミネック版を一通りざっとではあるが1番、2番とも見終わったところ。弦のパートについていえば、比較的常識的な編曲であり、おおまかにいってだいたいこの線でいってもいいと思われる。だが、やはりバスが弱いのでコントラバスを追加することは欠かせない。この場合、簡単な方法はオケのパート譜をそのまま利用するのが、一番いい。注意すべきはこの編曲のチェロパートをそのままバスでダブらせないこと。ショパンはチェロだけの場所、とコンバスが加わる場所を注意深く書き分けているからである。

 ただ少々細かく見ていくと、本当にショパンが必要とした音が抜けていたりしている箇所、編曲ミスあるいはミスプリントと思われるところも少なくない。(例えば6小節目ヴィオラパート)それは気のついたところは一通り訂正した。とくに和音を弾くため、弦楽器、とくにヴァイオリンにダブルストップ、トリプルストップを強いるのはある程度やむを得ないが、少々無理をしているなあ、という感は否めない。

 私はクラコヴィアク風ロンドの編曲に際して、これに第2ヴィオラを追加してみた。これがどれほど大きな効果を生んだかは、初演でつぶさに実感した。合計6人編成にすることで、ショパンが必要とした音は基本的にどれひとつとして犠牲にしないですみ、なおかつ、全体の響きに重厚さが増し、各パートに無理なダブルストッピングを強いないのでアンサンブルとして自然に鳴ってくれるのである。2つのコンチェルトも弦6人編成にすればもっと自然になるはずであるが、私はもうそこまでやる気はない。

 いずれにせよ、このヴァージョンではせいぜい500人程度のホールが限度であることは認識して置いた方がいい。
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