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イレッサ [健康]

 肺がんの特効薬として登場した薬の副作用の訴訟問題である。これはなかなか難しい。

 私もガンを病んだことがあるからわかるのだが、患者の立場としては副作用があろうとなんだろうと、ともかく治る可能性のある薬剤は何でも使いたい、というのが患者心理であろう。しかしよく知られているように、イレッサに限らず、抗がん剤の副作用のリスクは常にあり、何もしないで放置しておいた方がずっと長生きしたはず、というケースはかなり多い、というのは近藤誠論文に待つまでもない。そもそも抗がん剤の元祖はドイツ軍が使った毒ガスのヴァリアンテにすぎないのだから。

 二月ほど前の文芸春秋に面白い、というかショッキングな記事が出ていた。抗がん剤を使用したケースと、何もしなかったケースとどちらが長生きをしたかがグラフになっている。がんの種類と程度にもよるから一概にいえず、私のように手術でほぼ完治するケースはかなり多いが、進行がんに対する抗がん剤の効能に限っていえば、グラフで見る限り、ほとんど平行線をたどり、5年生存率はいずれも限りなくゼロに近い、という点では変わりがない。

 私は今後進行がんにかかっても抗がん剤だけはまっぴらだ、と思い続けているが、実際は効用がある、と医者も思い込んでいるらしいところが問題なのだ。抗がん剤の副作用でさんざん苦しめられたあげく1年生きるのと、何もしないでその間うまくモルヒネを使って楽に半年生きるのとどちらがいいか、といわれれば私なら迷わず後者を選ぶ。

 しかし実際問題、入院して、医師に抗がん剤は使わないでほしい、と頼むのはかなり大変なことであるらしい。医師は抗がん剤は有効、と信じきっているからである。これはいまから覚悟しておく必要はあると思っている。
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