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2階建ての思想(MAX) [交通一般]

 MAXはこれから順次廃止になる、という記事が夕刊に出ていた。やっぱりね、と思った。私がいつもいうことだが、列車の快適さは座席の広さもさることながら、一人当たりの空気の量(一人当たりの空間)によっても決まる、ということである。2階建てで3+3がけのシートというのはどう見ても無理がある。一度、ツアーの旅行でMAXの1階席にのったことがあったが、1階は2+3シートであるけれど、それでも狭いし、天井も低いし、窓からはなにも見えない。この閉塞感は旅行者としてやはりあまり愉快とは云えない。その分、料金が割安、というならまだわからないでもないが。このときは短距離ではあったから我慢できたものの2度とのりたくない。評判が悪いのはよくわかる。

 国鉄時代からの伝統である、乗客を一車両に詰め込めるだけ詰め込む、という思想はほかの交通手段との競争があるからさすがに通用しなくなってきた。MAXも2階立て高速列車としてのアイデアはフランスに先んじていたから非常に画期的であり、成果はあったと思うが残念ながら「一人当たりの空間」(空気の量)というサービスを無視していたのが短命に終わった原因かもしれない。

 余談ではあるが車は軽自動車でもメルセデスのSLKでも一人当たりの空間はあまり違わないので、(もしかしたらSLKのほうが屋根をあけない限り一人当たりの空間は狭いかもしれない)軽自動車にたまに乗るとすごく感激する。メルセデスのSLKは見栄とやせ我慢の車、と私はいってはばからない。(それでもやせ我慢をして6年くらいはのったけれど)

 これは建築物、とくに住宅についても云える。西洋と日本の住宅の差は、これが大きい。日本建築でも昔は天井が高くて広々していたものだが、戦後の団地サイズがその後のマンションや戸建て住宅のモデルとなり、諸悪の根源となったのである。
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Akira

こんにちは、kobaさん。

私もマンション住まいなので天井の低さには閉口しています。ドイツに住んでいる時は、アパート住まい(Neubau)でしたが、天井高は2,4mぐらいはあったと思います。戦前の建物(Altbau)は2,7mはあると思います。
住居に関しては色々言いたい事が山ほどあるのですが、強いて言うなら天井高の違いで実際の広さがここまで違うのかと思える程差があるということです。また、家具と共に帰国してもサイズが合わず設置断念しました。
by Akira (2011-03-10 13:33) 

klaviermusik-koba

akiraさん

たしか現在の日本の基準は天井高さは2400ミリと法律で決められていると思います。akiraさんのお宅も多分そうではないかと思います。(法律通りに作られていれば、ですが)ドイツも戦後の住宅はだいぶん天井は低くなっていますね。

ただ、計算の仕方ですが、同じ100平米の住宅でも、ヨーロッパは壁や柱の部分を計算に入れない文字通り空間の部分として計算されるのに対し、日本は壁心(壁の厚さの中央からの計算)なので実質はかなり日本の方が狭いはずです。天井高さについては実質の高さとして計算される、と聞いています。

ドアの高さは日本では1800ミリが標準ですが、拙宅は2000ミリで統一しました。ただしこれは法律でとくに決まっていないと思いますが。。。
by klaviermusik-koba (2011-03-10 17:34) 

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