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再び1番のソナタをめぐって [ショパン]

 天才、と呼ばれるためには3つの条件を兼ね備えていなければならない,とある人がいった。

(1)非常に若い時から信じがたい才能を示すこと。
(2)一作品ごとに通常の勉強過程では考えられないような飛躍的な進歩を絶えず続けていること。
(3)通常の人間では物理的にも考えにくいほどの多作であり、それも大多数が歴史に残る傑作であること。

1、2は当然としても3には必ずしも当てはまらない天才的作曲家はいる。ショパンも生涯に65曲の作品しか残さなかった。ウエーベルンも寡作であるし、ムソルグスキーもある意味では完成された作品数は少ない。問題は多いものの、リムスキー=コルサコフという作曲家の手がなければムソルグスキーもこれほど天才と認められることはなかったかもしれない。

 さて,ショパンの1番のソナタだが、もし、この曲が18歳のショパンでなく、ほかのだれか,それも19世紀中葉の50歳の時の作品といわれたら,その作曲家は間違いなく凡才であろう。そういう意味でいうなら凡作である。作品の完成度としては問題はおおいものの、当時の貧弱なピアノの性能を用いてさえ、これだけ盛りだくさんの近代的アイデアをすでに展開していることを考えるなら、やはり私には信じがたい作品といえる。現代のピアノをあたかも予見したようなピアノの技法を用いた箇所が随所に見られる。その観点からこの曲を見るのは興味深い。私はいまだにこの曲にハマっている。(札幌)
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