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ギリシャの財政危機 [経済]

ギリシャがこれほど世界中の注目を集めたことは最近なかったことだ。この国の財政が破綻するとEUそれ自体の存続の危機に瀕し、世界中が巻き込まれる、というのだが、案外ギリシャ国民は、以前私が旅行した1990年代と大して生活の変化はなく、のんびりと暮らしているのではないかという感じはする。マスコミというのは得てして大変な面ばかりショッキングに報道するから、一般庶民の実態はなかなかTVなどでは掴めない。なにしろこの国の財政破綻はこれまで何度もあるから、国民は慣れっこになっている。むしろ困るのはEU諸国ではないか。

EUの中で経済がしっかりしているドイツ、オーストリアなど数カ国が 他の国を必死で支える、という構造になっているが、ただEUのなかの目だたない小国でもエストニアのように、財政優等生の国があるのはあまり知られていない。エストニアもご多聞にもれず、超赤字財政、高失業に悩んでいたが、最近見事に復活して、他の国もエストニアに見習え、という空気がつよくなっている。

エストニアもリーマンショックで経済危機に陥った。エストニアはどのようにして経済を立て直したか。やりかたにそう秘策があるわけではない。増税、緊縮財政、公務員を減らす、などありふれたアイデアだが、どれも大多数の国民、経済界からは超不評な政策ばかりだからどの国の政府もなかなか実行できないでいる。エストニアの場合も国内はもとより、国外からも緊縮財政は国を滅ぼす、と大反対の声があったけれど、敢然とこれを実行した。結果、見事に経済は立ち直り、失業問題もほぼ解消した。エストニア国民は大変な緊縮財政に耐えたのである。(この項ニューズウイーク誌による)

でも日本がこれを見習うのは今の政治情勢ではまず無理であろう。5パーセント消費税をあげるのでさえ、この有様だから、議員を減らす、社会保障の充実を当分我慢する、などどれをとってもダメそうである。それでもエストニア方式は研究してみる価値はあるのではないか。


蛇足ではあるが、私も個人的にエストニアは全く知らない国ではない。コンサートで一度エストニアの首都ターリンを訪れたこともあるし、南相木村の山荘のログハウスキットを積み込んだコンテナはターリンの港から日本に運ばれた。よってある種の親近感はある。エストニアはソ連政権下にあってもロシア文字を使わず、ローマ文字を使用していた数少ない国であった。私に同行したロシア人通訳はエストニア語を解せず、ロシア語を解するエストニア人を通じて交渉ごとを行った。レストランでもエストニア語ーロシア語ー英語ー日本語(英語ー日本語は私の頭の中だけだが)と連想ゲームのように何か国語も経て行くうち、出てくる料理は私のイメージとは全く似ても似つかないものとなる。万事この調子でこの国のいく日かを過ごした愉快な経験がある。
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