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三たび領土問題について [政治]

尖閣、竹島の問題は今回はさておく。北方領土問題である。四島返還についてはこれまでのいきさつからみれば、北方領土の日本にとっての完全解決は中国のことわざを引用すれば「100年河清を待つ」に等しい。いや、もうすでに60年待った。せっかく歯舞、色丹で手を打つ、というところまでロシアと交渉が進んだところでなぜ手を打たなかったのか。もし平和条約を締結していれば、ロシアとの交流は進み、日本の資本や技術も進出出来、日ロ双方に恩恵をもたらしたはずである。ロシアとの関係を良好にしておけば、現在の尖閣問題もまた違った方向に行ったかもしれない。日本の外交思想は硬直していて「時間はいくら流れてもただ」であり、「時は金なり」の思想はない。

もう一つ。北方四島をかりに日本が抱え込んだところでいったいどういういいことがあるか。最大の漁業資源問題については交渉しだいでどうにかなろう。日本人で北海道、特に道東の方を旅行された方も多かろう。思い起こしていただきたい。観光客としてでなく、普通の生活者としてみれば、あの辺りの人口減少、さびれ具合、惨憺たるものである。北海道も札幌集中が進んていて人口の1/3が札幌に集中している。札幌だけが人口が増え、ほかの土地は全部マイナスである。北海道を一つの独立国と見たてれば、これは異常である。この先、4島のインフラ整備に巨額の資金を使ったとして、人口減少の今、あの酷寒の住みにくい土地、北方領土にあえて住みたい、という日本人がはたしてどれほどいるであろうか。

北海道の人たちの意見は札幌近辺で聞く限り、北方領土なんてあんなものどうでもいい、と本音をいう人は意外に多い。血で血を洗う何百年かの歴史を経て、現在、少なくとも領土問題では安定を保っているヨーロッパの歴史に今こそ日本は学ぶべきである。韓国、中国、ロシアを領土問題ごときで敵にまわしてしまえば将来にわたって日本はアジア地域で孤立する。第二次世界大戦の発端となったABCDライン(アメリカ、イギリス、中国、オランダ)の燃料封鎖でその解決策として日本が第二次世界大戦に突入した愚を今こそ思うべきである。戦後、あんな愚を二度と起こさない、と私たちは誓ったのではなかったか。「安らかにお眠りください。過ちは二度と繰り返しませんから」。

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