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Ludwig II Koenig von Bayern [旅行]

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ワーグナー、といえばこの人である。バイエルンの国王と親交をもち、パトロンでもあった。この国王の後ろ盾のおかげで、数々の名作をものし、バイロイトに祝祭劇場を建設し、この劇場以外では自分の作品の公演を禁じた。国王自身も有名なノイシュヴァインシュタインのお城をはじめ、三つも城を建設した。おかげでバイエルンの財政は破綻し、人々は貧窮にあえいだ。ワーグナーもルードヴィッヒ2世もどちらも性格的にはハチャメチャでそれは到底常人の理解の及ぶところではない。しかしルードヴィヒはワーグナーの音楽をこよなく愛し、ワーグナーのためなら国家財政を投げ出しても惜しくはなかった。一説では2人はWarmer Bruederの関係にあったとも言われるが、本当のところはわからない。

ルードヴィヒは最後には精神異常をきたし、ミュンヘン郊外のStarnbergerseeに入水自殺をした、とも、お付きの医師が殺した、とも、一緒に死んだとも言われるがこれも謎に包まれたまま。現在シュタルンベルガー湖にルードヴィヒが死んだとおぼしき場所に十字架が立っている。見たからどうということはないのだが、一度どうしても見ておきたい、という強い衝動にかられたのはワーグナーの歌劇をたくさん見て、たくさんスコアを読んでいるうちにたぶん私もワーグナーとルードヴィヒIIの毒気に当てられたのであろう。

夏ではあったがずっと寒く、小雨の降る日。私はその場所に傘をさし、寒さにコートを着てしばしたたずんだ。この十字架をみるにはまことにふさわしい気候、天候であった。1987年8月。シュタルンベルガー湖畔にて。
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コメント 4

Akira

こんばんは、kobaさん。

ミュンヘンからS-Bahnで数十分で到着するStarnbergerseeは、私もDBでインターンシップをしている時以来、数回訪れています。この十字架も遠目では見た覚えがあります。丁度インターンシップをしていた時の同僚のモデラー氏の自宅がStarnbergに住まいがあって、自宅に呼ばれたこともありました。彼はヨットが趣味で、この静かな湖に浮かぶヨットに同乗させて貰ったのも良い思い出です。

大学卒業後に就職した地であるバイエルン州の北にあるWeidenは、ワーグナーの祝祭劇場のあるバイロイトの近くでもあり、この美しい街にも度々訪れました。残念ながらチケット入手の困難なワーグナーの音楽祭には入場出来ませんでしたが。

あとバイロイトには、工芸品のような美しいピアノ製造メーカーのSteingraeber社もありますね。リスト博物館もあったりこの街の魅力はやはり行ってみないとわかりません。
by Akira (2013-09-14 21:33) 

klaviermusik-koba

おはようございます。akiraさん

Starnbergerseeは本当に美しいところで、昔は不便でしたが、今はS-Bahnでずいぶん早くいけるようになりました。バイロイトは私は祝祭劇場とあとはワーグナー関係の名所しか知らないのですが、Steingraeberはドイツのずいぶん古くからある楽器会社です。これについては私はバイロイトにあることも知りませんでした。シンメルとか、日本であまり知られていないが、いい楽器を小規模で作っている会社は結構あるのですが、日本にはあまり入ってきていません。
リストはワーグナーと親交以上の関係にありましたから博物館くらいはあっても当然だと思います。
by klaviermusik-koba (2013-09-15 09:14) 

Akira

おはようございます、kobaさん。

帰国してからアップライトピアノを買うとき、お店にあったSteingraeberのピアノに惹き込まれました。ただ、あの装飾の素晴らしさ故か、かなり良いお値段で結局別のメーカーのモデルになりましたが、バイロイトでこの本社工場の立派な門扉を見て、街中の楽器屋にある同社のモデルを見て、(音色については私はわかりませんが)その素晴らしさには、かなりそそられました。

Steingraeber社のサイトには日本語版もありますね。
http://www.steingraeber.de

あとSchmmel社ですが、私の所属しているぐんま日独協会の会員に長くドイツのSchimmel社で調律をしていた方がおりまして、彼もまた鉄道模型ではないですが、メルクリンファンでもあります。メルクリンH0のピアノカーのこともご存知でした。
by Akira (2013-09-15 11:11) 

klaviermusik-koba

ピアノというと日本では黒、というイメージですが、鍵盤楽器に王侯貴族用に絵を書いたり見事な装飾を施す、という素晴らしい伝統がありました。ただ、おっしゃるようにこれは非常に高価なものにつくため、一般普及用としては平等社会である日本ではあまり普及しませんでした。数は少ないですが、ヨーロッパではその伝統がまだまだ受け継がれているようです。楽器博物館、とくにミュンヘンのドイツ博物館には面白いものがあります。ただ、ヨーロッパでもコンサートホールではまだ私は見かけたことはないです。
by klaviermusik-koba (2013-09-15 13:54) 

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