SSブログ

民営化後のJR北海道 [鉄道全般]

このところのJR北海道問題、よく利用する人間として思うのだが、そもそも、この問題は国鉄民営化のときに、ドイツのように上下分離方式(線路と運行する車両とを分ける)としないで、地区別に機械的に分割する方式をとった時までさかのぼる。鉄道として独立して運営するのが難しい、九州、四国、北海道、という地域ははじめから不利な立場におかれていた。ドイツのやり方には、それ相応の長い歴史的背景があって上下分離方式をとったのだが、それとても必ずしも完全にうまくいっているわけではない。

北海道で完全に独立採算制をとって、赤字路線を切り捨てれば、採算の取れる路線は端的に言うと現在電化されている区間と、その周辺だけ、ということになってしまう。管理体制がなっていない、とかいろいろいわれるが、民営化の一番弱点が表面化したのが現在の問題点噴出の原因である。民営化して、何でも採算をとればいい、ということが強調されすぎると、どうしてもこうなってしまう。航空会社と空港は別会社、バスも道路と車両は別、船舶も港湾と船舶会社は別、というふうに見ると、鉄道会社だけがレールや信号システムや、駅などのインフラから車両運行にいたるまですべて自前でやらなければならないのであるから、よほど条件の恵まれた地域でない限り、採算を取るのはそもそも無理、と考えるのが普通であろう。世界的に見ても鉄道会社はそれだけで単独に利益を出せているのは、日本くらいなものかもしれない。それも乗客には通勤地獄の大変な思いをさせた犠牲の上に成り立っているのだ。



nice!(3)  コメント(3)  トラックバック(0) 

nice! 3

コメント 3

masato-marklin

 JR北海道も旭動物園号みたいなイベント列車も走らせていますが、JR九州程、色々なアイデアや、多角経営みたいな努力までしていませんよね。
 冬の厳しさ等、不利な点もあるかと思いますが、観光地も多いですし、JR九州みたいに一週間かけて豪華列車の旅みたいな事をやっても面白いと思うのですが。
 個人的には、ビール会社とかとタイアップして生ビール飲み放題、ジンギスカン食べ放題、カニ食べ放題のビール列車なんか走らせてくれたら乗りに行きそうです。客車はビール樽型とかにして。
by masato-marklin (2013-09-26 13:37) 

klaviermusik-koba

私もJR九州も旅行して、よく比較して見るのですが、九州の方がはるかに勢いが感じられますが、北海道にはそれがない。一方、観光資源からみれば北海道は景色は素晴らしいなど九州より利点は多いと思われるのですが、どうもそれをうまく活かせる経営者がいないのではないか、アイデアがどれも陳腐なのでは、という気がします。
札幌から根室でカニを食べる「何とかカニかに」号という特急ツアーなどいいと思うのですが。。。資金難で列車が調達できなければ他社から借りてくる、という発想もありではないかと思うのです。
by klaviermusik-koba (2013-09-26 20:49) 

ぽろ

まず国鉄は通常の民間企業の感覚では図れない異常な組織であったと思います。現にJ北の組合組織で過激派指定されているグループもあるようです。
機械的に分割した点が悪い印象をもたれているようですが、地域間で経済的な格差が有るので一概に良い方法であったとは言えませんが、異常な組織を強制的に解体し自主性を持たせようとしたのは悪い方法とも思えません。

強制解体の犠牲になったと言うことも出来るかもしれませんが他の方が言われている通り九州とはだいぶ違う性格に育ったと思います。
同じ赤字会社で鉄道が厳しい地域なのにです。

偏見かもしれませんが東北や北海道は他の大都市圏に比べて商売が下手じゃないかと思います。

J北問題は単に一鉄道会社の問題ではなく北海道が経済とは何かと真剣に考える良い機会と捉えるべきではと個人的には思います。

by ぽろ (2013-10-11 23:20) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

Transalpin自動車免許の更新 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。