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原発問題 [札幌日記]

福島原発の事故があって以来、電力事情は、おおよそのところ私が当時考えていた方向に進んでいる気がする。要点は以下の通り。

①「トイレなきマンション」問題。国内ばかりでなく、世界レベルで見ても現在世界中で稼働している原発廃棄物の最終処分をすることがたぶん不可能で、原発をこれ以上ふやし続けることが無理だということがわかってきた。

② 国内では、とりあえず比較的安全な原発を使いながら、新設をやめ(ざるをえない、今後引き受ける自治体は皆無)、その間にだんだんとほかのエネルギーにシフトする。ただ、これについては当初私が考えていた以上に原発再稼働は難しく、シビアな状態になっていることは悪いことではない。

③ 原発がなければ、日本のエネルギーをまかなうのは不可能、といわれていたことはほとんど原発がなくなっても、何とかなっている現状を見れば、あれはウソであったことが明白になった。

④ 節電が思いのほか進んできた。これは戦中派の私にいわせればまだまだ節電の余地はあると思っている。電気代が高くなれば人間は当然節電の工夫をするものだ。使用電力が減るのは、電力会社にとっては望ましくないことかもしれないが、地球環境にとってはいいことである。

⑤ 原発は一番安全で安いエネルギー源だ、とさんざん吹き込まれてきたが、これまでの経緯を見れば、一番高価で、危険で、非効率なエネルギーであることも明白になった。(何しろあまり必要のない夜中でも発電を続けている)

⑥ そこへもってきて、今回の小泉発言である。あの内容は我々が考えていることとだいたい同じで、「変節」と世の中からたたかれようが、当たり前のことを言ったまでで、世の中の普通の人は、原発関係者をのぞいてはたいていそう思っている。(原発関係者のなかにもそう思っている人は少なからずいるであろうが立場上表立っていえないだけ)

⑦ 今後は福島問題をはじめとして、どういう手だてで現在ある原発をやめるか、という「原発のたたみかた」の議論が活発になるであろう。ドイツやイタリアのように、トップが「今後は原発をやめるのだ!」と宣言してもしなくてもいずれその方向に向かうと見ている。ただ能率が悪いという違いだけのような気がする。

北海道、という日本の中ではやや特殊な状況におかれている地域も、昨年の冬は原発なしではたして越せるか、という強い危機感があったが、地方紙を読んでいると、今年はだいぶん余裕が感じられる。(札幌)



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