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廃刊になったトーマス・クック時刻表 [旅行]

トーマス・クックのヨーロッパ夏号時刻表を買おうと思ったら、今年から廃刊になります、と書店でいわれてびっくりした。日本人は今でも旅行、といえば、とりあえず時刻表を買って、という人は多い。その証拠に時刻表は年々充実し(その分値段も高くなり)、旅行に行くわけでもないのに時刻表を読んで楽しんでいる人も多い。いわゆる「読み鉄」である。

そういえばヨーロッパではいまや鉄道で旅行する人で時刻表を読む、というのはごく少数派。だいぶん前の話、ICEの車内でドイツ語版のトーマス・クック時刻表を読んでいたら、隣席のドイツ人から「こんな複雑なもの良く読めますね、私には読めない」といわれるので「だってわずかなドイツ語以外、ほとんど数字だからドイツ語は少々下手でも何の支障もありません」といったら「じゃあ私は馬鹿なのかな?」私は返す言葉が見つからなかった。

時刻表を楽しんで読む、という文化はもしかすると日本人特有のものかもしれない、とその時思った。だがトーマス・クック時刻表はなんといっても伝統があり、よくできた時刻表である。鉄道が発達してツーリズムが一般化した時、いち早く「時刻表」として一般に発売された鉄道時刻表の草分け的存在。よほどの片田舎で無い限り、だいたい、あの楽に持ち運びできる冊子でヨーロッパどこでも用が足りる。モスクワからウラディオストックまでの「ロシア号」さえ載っている。これほど読んで楽しめる実用的なものが廃刊になるのは私としてはただただ残念、としか言いようがない。ネットでなんでも検索できるが、これは楽ではあるが実に味気ない。ネット社会がまたひとつ私の楽しみを奪った。
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darkhorse

Klaviermusik-kobaさん,
ご無沙汰をしております.トーマス・クックの件,なんだか同じ思いで読ませていただきました.僕がヨーロッパに住んでいたときもトーマス・クックの英語版を片手に様々な街に旅行したものです.
その後,渡欧したときは日本語版??なるものとインターネットの両方で整合性を調べながら旅行をした覚えがあります.
さて,トーマス・クックの廃刊ですが,昨年,ニュースで観ました.
しかし,トーマス・クックの元編集者が別会社で作成をしております.トーマス・クックの名前は消えていますが,内容がほぼ同じです.ただし,日本語版は英語版よりは内容は薄いです.参考になれば,

英語版
http://www.amazon.co.jp/European-Rail-Timetable-2014-Summer/dp/0992907306/ref=sr_1_3?ie=UTF8&qid=1405978291&sr=8-3&keywords=European+Rail+Timetable


日本語版
http://www.amazon.co.jp/ヨーロッパ鉄道時刻表2014年夏ダイヤ号-地球の歩き方編集室/dp/4478045909%3FSubscriptionId%3D0BQQXBW6ZGYYEMSAEFG2%26tag%3Darukikacojp0c-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4478045909
by darkhorse (2014-07-22 06:37) 

klaviermusik-koba

darkhorseさま、

情報ありがとうございました。なにかそういうものがある、ということはうわさに聞いていましたが、ためして見ます。さすがにヨーロッパも列車が増えたから、一冊に収めるのはもうお手上げになってきた、ということもあるのかもしれません。
by klaviermusik-koba (2014-07-23 06:41) 

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