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撃墜された旅客機 [国際問題]

おそらく意図して旅客機を狙って撃墜したわけではないことは確かであろう。たぶん、ミスったのである。ミサイルを打った人間は、しまった、と思っているに違いないが謝って済む問題ではないから、俺のせいではない、と強弁するだろうし、それを否定する決定的証拠を見つけるのも難しかろう。意図的に撃墜された旅客機は、私の知る限りでは大韓航空機が北朝鮮に撃墜されたことぐらいだが、これは善悪がはっきりしている。マレーシア航空の場合は、世界の世論は今のところロシアに分が悪いが、ロシアが自分が悪い、と認めたことはかつてないから、今回も結局うやむやで終わるのだろう。たまったものではないのは、犠牲者とその関係者ばかりでなく、マレーシア航空会社もそうである。この会社は先だってのオーストラリア沖の行方不明機も全く手がかりのないままで今だに経過している。

こういう場合、個人的に入っていた保険は別にして、航空会社が入っている犠牲者の生命保険や機体の保険などというものがあるのかどうか知らないけれど、補償されればまだしもましで、事件が曖昧だからそれすら難しい。不幸にして事故にあって亡くなってしまった本人にしてみれば、もうどうでもいいことであろうが、生き残っている人間同士のつばぜり合いが今後も続く。怒りをどこへ向けていいのやらわからない、という我々もせつない。こういう不条理は人間の歴史上、形を変えてたびたびあったわけだが、「戦争」という大きな犠牲を伴う不条理は心がけ次第で避けられる、と思うのだが、これも簡単ではない。イスラエルとパレスチナのような戦争は元をたどればヨーロッパ諸国の身勝手に行き着く、ということがわかっても、これも今さら誰もどうしようもない大きな不条理といえる。人間に生まれついた、ということはこういう不条理にも耐え忍ばなくてはならない。キリスト教の説く「原罪」という概念は非キリスト教徒である私には今ひとつ理解し難いが、こういう不条理をたびたび見せられるとキリスト教でいう「原罪」とニュアンスは違うが人間はやはり「原罪」を背負って生まれてくるのかもしれないと思いたくなる。
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