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大コフタ(ゲーテ) [Literature]

作者のゲーテ自身は自信を持っていたらしいのだが、当時も、のちの世にも失敗作とされている「大コフタ」という喜劇がある。なぜこんなものを読む気になったか。ヴォルフの歌曲にゲーテの詩による「コフタの歌」という歌曲があり、歌詞からだけでは「コフタ」の意味がよくわからず、とりあえず作詞者であるゲーテの台本を読んでみる気になったのである。

一通り読んでも今ひとつピンとこない。そもそも「コフタ」と言う人物(?)はほとんど影の存在で舞台にははっきりとした形では登場しない。なにか、超自然的なオカルト的存在のようでもある。翻訳者の解説の中にゲーテはいっときフリーメイソンの一員であったことが書かれている。もしかしたら「コフタ」なる人物(?)は、ゲーテがフリーメイソンであったこととなにか関係があるかもしれない。そう思って、さらに今度はむかし買って一通り読んだはずの「フリーメイソン」に関する本を引っ張り出してきて再読してみた。がやはり確たる答えは得られなかった。

一方、キリスト教の一派に「コプト教」という現在もエジプトを中心にかなりの勢力を持っている宗派があるがローマの本山からは異端とされている。これと関係があるのかないのか。ちなみにゲーテの「大コフタ」の舞台もエジプトに設定されている。

わかっていることはここまでなのであるが、ヴォルフの歌曲の後奏が「凱旋の行進」のようなブラスバンドの堂々たるマーチ風なもので締めくくられるが、ここのピアノは、解釈次第で演奏方法が全く変わる可能性がある。どうやら、普通の行進曲のように弾いてはいけなくて、なんらかの皮肉っぽい内容をも含めて考えるべきなのかもしれない。大仰すぎる勿体ぶった弾き方のほうが内容によりふさわしいのではないか、とも考えてみた。ヴォルフの音楽は奥が深い。
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