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ポーランド大統領の訪日 [日本ショパン協会]

アメリカやロシアの大統領の訪日ともなればマスコミは目の色が変わるが、ポーランドぐらいになると記事にすらならない。日本とポーランドの間にはなんらの政治的、もしくは経済的問題は存在せず、もっぱら望ましい友好関係だけだからセンセーショナルな記事にはなりにくい。大国ばかりでなく、これが韓国、北朝鮮のような深刻な政治問題を抱えた国からの大統領でもやはりトップ記事になるのは間違いない。ある意味、マスコミに乗らない関係の方が、いい国家関係にある、といえる典型であろう。

ブロニスワフ・コモロフスキ大統領夫妻を歓迎する式典がパレスホテルで昨夜行われ、私も一関係者として招待を受け、出席した。出席者の約半数はポーランド人で、日本にもこれほど多くのポーランド人が在住するのにも驚いたが、これだけでも招かれた関係者に限られるわけだから、日本に住むポーランド人の総数はいったいどのくらいになるのだろう。ショパンの国らしく、最初にアンジェイ・ヴィエルチンスキ*という若いポーランド人のショパンのリサイタルのあと、ブロニスワフ・コモロフスキ大統領の挨拶があり、ポーランドとの関係に功績のあった中曽根文弘氏、米倉弘昌氏、遠藤郁子さんに勲章を手渡された。こうしてみると、政治、経済、芸術ときちんとバランスをとって叙勲していて、どの分野もポーランドと日本との関係を重視しているポーランド側のバランス感覚がうかがわれる。

国賓としての来日ではないが、日本側からは皇族の高円宮妃殿下が出席された。式典の後、大統領の発声で乾杯の後、歓談に移ったが、大統領が少し風邪気味、と聞いていたので、私は数人の知人と会話をして適当に消えよう、と思っていた。が、どういうわけか周りからどうしても大統領に挨拶をしろ、と無理やり押し出されてしまった。突然のことで私は何を話していいかわからず困惑しきったのである。まあともかく二言、三言、何をいったか覚えていないが、握手だけはかわした。でもあとで考えてみれば、一国の大統領と握手する機会というのはそうそうあるものではないから、もっとあらかじめ、ちゃんと考えて行動すべきだった、と後悔もした。


*アンジェイ・ヴィエルチェンスキ ポーランド国内のショパンコンクールで優勝したポーランドの希望の星。日本ショパン協会主催の5月のショパンフェスティバル in 表参道のランチタイムコンサートで聞くことができます。ポーランドのいまの若手の最高水準がどのようなものかを知ることができます。当然彼は今年のショパン国際コンクールに出場しますから、ぜひお聞きください、といっても会場はせいぜいキャパが120人どまりですが。
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