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シューマンのオーケストレーション [音楽全般]

ある人からの依頼でシューマンのピアノ五重奏曲にコントラバスを加えたヴァージョンを製作中。といっても、オリジナルのパート変更は最小限にとどめ、もっぱら低音部の充実を図る、というのが目的。

こういうことを考えつく人はまずいないであろう。しかし私は頼まれれば、そしてそれが面白いアイデアだと思えばあとさき考えずとりあえず手を出す悪いくせがある。私が思うに、シューマンのピアノ五重奏曲は基本的にイ短調のピアノコンチェルトに近い書き方がされている。逆にピアノコンチェルトは、コンチェルトというより、室内楽に近い、ということ。つまりどちらもピアノパートは基本的な書法の違いが少ない。つまり五重奏曲はピアノコンチェルトにオーケストレーションが可能だし、コンチェルトはピアノ五重奏に書き換えが可能なのである。(ショパンでやったのだからこれもやってみるか?)

どうしてこうなるのか。改めてシューマンの交響曲のスコアを取り出して検証してみた。シューマンの管弦楽法はもっぱら指揮者やオーケストラの間で評判は良くないが、その理由は弦楽器、管楽器、打楽器の音色の差を際立たせるような書き方をシューマンは好まないところにある。もとよりシューマンはオーケストラの指揮もしていたからその辺のところわからないはずはない。シューマンの交響曲は音楽として素晴らしいのだが交響曲的華やかさに欠ける。シューマンの交響曲がポピュラリティに欠け、ピアノ曲や歌曲が一般に好まれるのも故なしとはしない。
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