ヴィンテージ・メルクリン [メルクリン]
おそらく我が家に存在する最古のメルクリン製品であろう。グリーンのケースに収まっている「Donnerbuechse」(雷の箱、とでも訳すべきか)いつ頃のものか、ケースにある文字 「69 450 AN 01 64 sh 」が読み解く鍵となるかもしれない。製品番号は 「4000」。AN 01 64 ANはヨーロッパ人がよく使うラテン語のANNO(年)の略,64年01月、と読めないだろうか。でもこの頃はすでにプラ製の精巧なモデルが出回っており、メルクリン製品も客車は24センチ金属製だが窓枠は入り、窓ガラスは現代とさほど変わらない薄く、精巧なものが当たり前であったことを考えるとどうしても時代が合わない。
材料は主要部分はブリキ製。部品の数として、スライドではめ込み式の屋根。一体折り曲げ式のボディ。台車、台枠、床、ステップがすべて一枚の切り落とし材を折り曲げただけのものだが、そのアイデアと技術はすごい。あとは両端の手すり。合計5枚のブリキ板だけである。ほかに車輪、連結器、緩衝器などの小物がやはり三種類だけという最小限だが、立派にDonnerbuechseと認識できる。おそらくは、メルクリン製品がOゲージからHOに移行したごく初期の製品と思われる。窓は枠もなければガラスもない。プリントはまだごくプリミティブで両端のRaucher Nichtraucher 表示は・・・・・・としか見えない。
それにもかかわらず、改造しなくともそのまま最新の製品と連結しても、立派に同調して「走る」という模型鉄道の原点が変わらないところ、伝統をまもりつつも進化するメルクリンの真骨頂がうかがえる。(南相木)
2015-07-26 09:20
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