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パリのテロ事件(2) [一般向け]

あ~あ、やっぱり、と思う。人間はちっとも利口になっていない。フランス、アメリカ、イギリスに加え、ロシアが一斉にシリアを空爆、と報じられている。これでISを壊滅できると考えるおろかさ加減。もちろんISは相当な部分、打撃はこうむるであろう。しかし同時に一般人を含めた関係のない人が空襲にさらされ、家を焼かれ、難民となる。中期的に見れば空爆によってISになるしかない人を増やし続けるようなもの。これまで、近代兵器に物を言わせてことがいい方に解決したためしがないのは古くはべトナム、最近では9・11同時多発テロ、それに続くアフガニスタンのタリバン攻撃、などなど、第二次大戦以来、どれも近代兵器に物を言わせるのは失敗に終わることの証明だが、まだ欧米は懲りていないと見える。

時間と忍耐は必要であろうが、やはり外交と交渉を通じて平和的に物事を解決するほうに少しでもシフトしないとこの悪循環はいつまでも続く。21世紀はたぶんこの連鎖の世紀、とのちの歴史家は書くであろう。中世も戦争ばかりの時代であったが、現代になってもそれは継続している。何しろ、今回の事件は元をたどれば中世の十字軍、キリスト教徒がイスラム教徒を攻撃した時点にまで遡る。十字軍の遺跡はいまも各地に残り、それらを我々は観光客として見物はするが、それが現代に至るまで形を変えて延々繰り返されている、という視点で見なければ単なる物見遊山に終わってしまう。彼らがしばしば使う「十字軍をやっつける」という言葉は私たちにはいかにも時代錯誤に響くが、彼らにとっては11世紀以来ずっと現実であり続けているという証拠でもある。

日本はさいわい地政学的に、シリアからは少し距離がある。日本でシリア難民を受け入れるのは、あえて言うが相当慎重であるべきで、外国からは日本は難民を受け入れるのに消極的、と非難されようとも、私には日本政府の立場は理解できる。ドイツの難民積極受け入れ政策もそろそろ転換を余儀無くされよう。宗教的、思想的立場の異なる人種同士は離れて住むのが良さそうだと思う。難しい、解決困難な問題である。
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