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一帯一路 [鉄道全般]

中国の鉄道のここ数年間の変貌ぶりのすごいのは先刻ご承知の通り。先日、毎日新聞で面白い記事が特集されていたので、それに基づいて私なりのささやかな知識とコメントを交えながらご紹介して見たい。

もともと陸続きだからユーラシア大陸の西の果てまで中国から直通列車があってもおかしくはない。これまでトルコ経由とか、様々のルートが話題に上ったがいずれも政治的、技術的理由で実現に至っていない。これは画期的なことと言える。北京や重慶などいくつかの中国の都市から、カザフスタン、モスクワ経由でポーランド、ドイツ、フランスを経て西はマドリードまで貨物列車が運行されているようである。13000キロ、21日かかる、というから、一日平均600キロ程度しか走らない計算になる。世界最長距離と時間の運行、ギネスブックものであろう。海上輸送よりは早いものの、鉄道なのになぜこんなに時間かかるの、というのが私の素朴な感想である。

シベリア鉄道のモスクワーウラジオストック間でも8日であるから、これは異常に遅い。もちろん、旅客列車と貨物列車の違いはあるにしても、である。原因は旧ソ連圏やスペインの広軌と標準軌で軌間が違う、というのが最大にネックであろう。中国からマドリードまでは、軌間が違うために国境で台車を履き替えるところが合計3箇所ある。中国/カザフスタン、ロシア/ポーランド、フランス/スペインのそれぞれの国境で台車を履き替えなければならない。台車を履き替えるために約半日を要するという。

もう一つの問題は行き帰りの輸送量の極端な違い。ヨーロッパ向けが貨車5両とすれば、中国向けが貨車1両いう割合のため、帰りの4両は機関車牽引では非効率なので船舶で輸送するのだそうだが、これさえもずいぶんと手がかかりそう。さすが中国、壮大といえば壮大。一日平均一便くらいのようだから、当然採算は取れないが、そこは昔の日本国鉄同様、国策としてやるのだから採算などはなから考えていない。

新聞の解説によれば、マラッカ海峡がアメリカ軍の支配下にあるので、何かことが起こったら、首根っこを押さえられるから、という恐怖感があるようである。それにしても、である。いくら国策とはいえ、この超赤字経営もギネスブック級ではなかろうか。新聞にはどこで撮影されたものかはわからないが、巨大な電機にひかれた貨物列車、複線電化の路線の写真が掲載されていた。
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