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ブゾーニのオペラ「アルレッキーノ」 [音楽全般]

フェルッチョ・ブゾーニといえば、ピアニストはまず幾つかのバッハのピアノ編曲をイメージするであろう。そして、次に19世紀から20世紀初頭にかけての歴史的な大ピアニスト。まあそんなところではなかろうか。そこから先、彼のピアノのオリジナル作品を知っている人は稀であろうし、さらに彼がオペラを書いた、ということはもっと知られていないであろう。

私の、かつて芸大時代の生徒であった、松川儒君が彼の勤め先である玉川学園のイベントのなかでブゾーニの「アルレッキーノ」を指揮するから見に来て欲しい、という招待を受け取った。普通のピアノリサイタルよりはこれは面白そう、と妻を誘って行くことにした。

実はブゾーニのピアノ作品は、当時として非常に演奏が難しく、かつ内容急進的で難解なのでいまもほとんど演奏されない。ことオペラ、となるとどんなものなのか興味をそそられたのである。玉川学園は演劇系が有名で、演出家も役者も揃っていて、ブゾーニの音楽もそう難解ではなく、楽しめた。ブゾーニはイタリアオペラが大嫌いで、自分でオペラを作ってしまったのだ。

私の教え子たち、特に男の子たちは卒業してからほぼ全員なにかしらモノになっている。彼もその一人で、私もオペラの指揮なら面白そうだからやって見たい、とかねがね思っていたがこの希望は果たせなかったが、生徒がそれを実現した。それも誰でもやる通常のオペラではなく、こんなほとんど知られていないものに挑戦したことがすばらしい。松川君によればこれは演奏がすごく難しいのだそうだ。まあそれは想像がつく。だが内容は女たらしのドタバタ劇でブゾーニの謹厳なイメージ、それもイタリアオペラ嫌いの人の作品とは想像しにくい。

ピアニストから、生徒にいいピアニストやピアノの教師が教育の結果生ま れるのは別に珍しくもなんともない。当たり前だからだ。私の教え方がどこまで影響したのか、しなかったのかは検証のしようがないが、ともかくこういう異色のユニークな人たちが育っているのは喜ばしいことと思っている。
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