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ちょっといい話 [札幌日記]

定宿にしている札幌のホテルは、そう大きなホテルではないこともあるが、これだけしょっちゅう行っているとたいていの従業員とは顔見知りになっている。時折人は入れ替わることもあるが、従業員はよく定着している方だと思う。それだけ職場としても居心地がいいのであろう。それは敏感に空気を感じ取る顧客の立場からもわかる。

ここのレストランと中華料理店はホテルの直営である。夜遅くなって食事をとるレストランの従業員の中に一人、美人とは言えないまでも、とても人当たりがやわらかくて感じのいい女性、20代後半かもしかしたら30歳始めころかも、がいる。夜遅くなるとお客も少ないので、ときおり、さりげなく私に話しかけてくる。特に中身のあることをしゃべるわけではないが、疲れとストレスが溜まって一人で淋しく食事をしている時は少しホッとする。

どうやらここの従業員は何人かで輪番制をとっているようで、毎回この女性を見かけるわけでもない。ところがこの1、2ヶ月顔を見ることがなくなったので、どうしたのかな、と思っていたら、今日フロントで「あら、先生しばらくです」というので、みれば、以前より少し化粧が濃くなった彼女が姿をあらわした。「こちらに配置換えになったの?」と聞くとマスターが引き取って「ええ、宴会の係りになってもらったのです」多分彼女の素敵な人柄が買われて、より責任の重い仕事を任されたのであろう。「そうか、良かったねえ、頑張ってね」「はい、よろしくお願いします」私もちょっぴり嬉しくなった。

札幌の回転寿し [札幌日記]

北海道には「H」という回転寿しの大手チェーン店がある。新千歳空港で立ち寄ることが時折あるが、先日「都合により本日休業」の看板が出ていて少しがっかりした。なぜシーズン中なのに?と思ったのだが「ははあ」と思い当たった。このチェーン店の何処かの店で「ノロウィルス」の食中毒患者が何十人か出て、保健所が調査した結果原因を突き止めた、という一昨日の地方紙の記事を思い出した。営業停止処分を食らっているのだ。

考えてみれば生ものを扱っているわけだから、ときにはこういうことも起きるだろうが、こうなると、当該支店だけではなくて全店一斉に営業停止になるものと見える。その損害は莫大なものにのぼるにちがいない。残念だが止むを得ない。よほどのことがないと新聞だねになることはないが、少々のことはいつも起きているのに違いない。私は20代のときに生カキにひどく当たって以来、食中毒は経験していない。食べた人が全員やられるわけではないから、インフルエンザと同じで、同じものを食ってもならない人はならない。たまたま黴菌があるネタに集中していたか、その人に抵抗力がなかった時、やられるのであろう。

あまり科学的根拠はないが、私自身は対策としてなるべく貝類には手を出さない。あたるとひどい、という昔のトラウマを引きずっているのかもしれない。札幌の回転寿し好きとしては、一日も早く万全の対策をして再開してほしいと望む次第である。ご同好の方々、くれぐれもご注意のほどを、と言ってもどう気をつければいいかわからないが。。。。(札幌)

北海道の大雪 [札幌日記]

北海道の大雪は東京でもある程度報じられているであろうが、東京はもちろん,札幌にいてさえ、想像がつきかねるような状態である。すでに,100人近い死者を出したこの大雪、地吹雪,ブリザードとか,そんな程度のものではないらしい。以下はタクシーの運転手から聞いた話だが、普通の道路が風向きか、なにかのはずみで、すこし吹きだまりができるとあっという間に直径2−3メートルの雪の固まりになる。ここへうっかり突っ込んだが最後、もう前進はおろか、バックさえもできず、うろうろしているうちに、車ごと雪で埋まってしまう。外からは、雪の大きな固まりにしか見えなくなるから、運良く救助隊が駆けつけられたとしても、どこに車があるのかさえわからない状態なのだそうだ。こうなってしまうと、やっとドアが開いて,雪の中に出られたとしても、人間は上下左右が認識できないので、結局凍死するしかない。要するに「南極大陸で車を運転するのと同じ覚悟がいる」。

そうでなくても、まわりは真っ白で運転席からは前はほとんど見えない。前の車のテールランプだけを頼りに進むしかないが、それがすこし車間距離が開いてしまうともう前の車は見えない、そうかといって、車間距離をつめすぎると、今度は前の車がブレーキを踏んだとき間に合わない、といった過酷な運転を強いられる。タクシーは職業柄、こういう日でも休むわけにはいかない。GPSで常に自分の位置がわかるようにしていても,救援隊が近づくことさえ容易ではなくなる。これが、土曜、日曜の前半までつづいたというのが実態のようである。

今回も私は運がよく、JALもJRも復旧した状態のときうまく札幌入りしたらしい。でも万一の場合電車や,空港ビルで夜明かしできるような非常用の食料、薬品類など常に携行する必要を強く感じた次第。東京はもう春だが、北海道はまだまだ一ヶ月くらいはきびしい状態を強いられる。これさえなければ北海道は本当にいいところなのだが。。。

東京から来てみると [札幌日記]

札幌は8年ぶりだかの大雪で、先週大騒ぎした、東京の雪などとはどだい比較にならない。年間平均40メートルの積雪があるのだそうだが、この冬はもうすでに30メートル降ってしまったという。市の除雪予算はとっくに底をついてしまった状態にある。主要道路の横は雪の壁のようで私もこんな大雪は見たことがない。3車線の道路は1〜2車線しか通れないし、横道に入ったらもう車は出られない。アリ地獄である。市内の移動もタクシーだと倍くらいの時間と費用を見込んでおく必要がある。

もうお手上げ、とはみんないいながらも、札幌ではあまり新聞ダネにもなっていない。新千歳空港もちゃんと稼働している。車の運転もたいへんだが、タクシー業界は客は増えるからいいようなものの、なかなか走れないし,痛し痒しのようである。円安でこのところ、東京でみる限り経済的にはいいことづくめのようだが、灯油は毎週のように4円くらいづつ値上がりしているから、灯油の欠かせない道民の生活はたいへんで、しかも交通不便な稚内とか地方の方が値上げ幅が大きい。たまったものではないのである。こういうことは東京では話題になることはないから、あまり注目されないし、このような豪雪地帯ははじめから経済的に大きなハンディを負っている。

ヨーロッパでもこれほどの大雪はあまり見たことがない。日本の雪のカサが多いのは湿気の多いベタ雪だからで、その分除雪も大変だし、もうあきらめてしまっている人もいる。除雪で腰痛や筋肉を痛めないために、除雪の前にやっておくべき体操,というのがさかんに推奨されている。笑い事ではないのである。日本の有名な豪雪地帯といえば上越地方だが,飯山あたりの住宅はだいたいは冬は二階から出入りするくらいの雪が積もるので,住宅はだいたいそのような作りになっている。したがって冬は一階は実質、地下室のようになる。札幌はさすがにそこまではいっていないようである。




東京の大雪 [札幌日記]

14日

この程度の雪では新千歳空港は絶対飛行機に影響はないから、と甘く見ていた。が、東京は実に雪に弱い。流石に車は無理、と判断したので、だいぶん途中でハプニングにあいながらも電車で2時間かかって(通常なら1時間15分くらい)羽田についたら今日はすべて欠航の掲示。出かける前にちゃんとインターネットで確認して出かけたのだが、こうなると、インターネットも当てにならない。まったく内容が更新されていなくで、空港へ行って始めて欠航がわかる次第。

15日

朝5時に起きてインターネットを調べたがJALもANAも全く更新されていない。TV ニュースでも空の便は一部欠航、としか報じないので、今度は車を運転して出かけた。昨日の影響で、今日も札幌行きはすべて満席。今週はもう諦めた。それにしてもこのインターネットの時代、刻々情報を流してくれたら私は2度も大変な交通状況の中、羽田まで無駄足をふまないですんだのだ。もう航空会社の情報は金輪際当てにしない。大雪でなくとも不測の事態はつねに起こりうるのだから、なぜもっと的確な情報を出せないのか。実に腹立たしい。

たまに降る雪の翌朝の東京の人の車の運転は笑える。私の車は夏タイヤのままだが、昔ミュンヘンでツルツルに凍結した路面を夏の坊主タイヤで運転していたくらいだから(今考えるとよく生きて帰れたと思うが)路面がどの程度凍結しているかはみればわかる。今朝の東京の状態なら凍結度は大したことはなく、50キロくらいで運転してもそう危険はないのだが、みんなおっかなびっくり、20キロくらいでのそのそ走るものだから渋滞がひどい。念のため危険のないところで急ブレーキを踏んで確認したが、しっかりグリップし、ABSもちゃんと働く。

初雪 [札幌日記]

 今年の札幌の冬は例年になくおそい。街路樹は紅葉が美しいし、おとといは初雪が降ったがすぐ溶けて、町中では雪はみられない。これも温暖化現象であろうか。さすがに今年は北海道も節電の意識が高まって、札幌駅前の地下道はずいぶん暗い。だがこれもすすきのあたりまで歩いていくと、急に明るくなるし、JRの車内は東京のように蛍光灯を減らしたりしていない。要するに徹底していないのだ。JRはいいとしても、同じ地下道なのになぜこんなに明るさが違うの?とタクシーの運転手に聞いたら、開発庁とか市とか、管轄がちがうからです、という。

 今月の半分はなんやかんやで半分は札幌にいることになる。週に2回往復する時もあるが、さすがにすこし疲れてきた。東京からの通勤時間はdoor to doorでこれまでの最高記録は3時間57分。もうこれ以上の短縮は絶対不可能。あまりに記録的だったのでタイムスケジュールを記録しておく価値はあろう。

大学発(タクシー)   17:10
札幌駅着        17:22
札幌駅発(JR快速)  17:25
新千歳空港着      18:06
新千歳空港発(JAL)    18:25(たまたま18:00の便が雪で遅延したためこれに乗れた)
羽田着         20:10
羽田駐車場発(マイカー)20:23
自宅着         21:07(車庫入れしてハンドブレーキをかけた時刻)

時間的にはたしかにこれは早いが、休憩時間をその間に入れて、コーヒーを飲んだり、食事をしたりしてのんびり帰る方がかえって疲れない気はする。早いばかりが能ではない。


積丹半島 [札幌日記]

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 積丹半島は本当に美しいところだから、ぜひ見ておくといいですよ、とよく言われるのでレンタカーで一周してみる気になった。ここは実に交通不便でレンタカー以外では、札幌発の一周観光バスを利用する以外手はない。昔はおそらく舟以外に交通手段はない陸の孤島、といっていいところ。地図でいえば小樽の先に西北に突きだした半島である。

 半島の突端の手前、豊浜というところで4年ほど前、バスといくつかの乗用車がトンネルの崩落事故で生き埋めになる悲劇が起きた。何人か犠牲者を出した場所なので、行くにはちょっと危ないところ、というイメージがあったのだが、その現場はいまは道路もトンネルは立派に再建され、入り口には公園が整備されて慰霊塔も建っている。突端近くまで車を進めると、風景も一変してくる。中東のように、もしくは聖書に出てくるような、草一本生えない荒れ地、というのではないが、やはりここに人が住むのは難しいだろうなあ、というような荒涼とした原生風景が広がる。

 神威岬という突端は途中に「ここから女性立ち入り禁止」、とかかれた小さな門があって、私は妻と一緒だから行くことは出来なかった。どのみち、急に雨が降りはじめて風はものすごいし、岩づたいに突端の先まで行くのは、年を考えて「違反をする」のはやめることにした。この「禁止令」もこの天候だとそれなりの意味はあるのかもしれない。

 北海道をみないで日本を見たというな、ということが外国でいわれるそうだが、やはりそうだと実感する。北海道は面積としてはスイスより少し大きい程度なので、観光立国としてはちょうどいい規模の地であるが、地元はもちろんそれなりの努力をしているが、国として、観光日本を売り込むなら、もっと北海道を積極的にアピールする必要があるのではないか。第2次大戦後ここをロシアに占領されなかったのは日本にとって望外の幸せ、というしかない。

札幌から出発、ゆっくり見て車を走らせて半島を一周して帰還するのに約8時間かかる。

札幌の回転寿司 [札幌日記]

 今年度はほぼ毎週札幌に出かけている。その間を縫って別な旅行が入るので、わざわざ観光旅行に出かけることもないのだけれど、昔から旅行は大好きなので、それはそれ、これはこれ、で動くから老骨の身にはかなり疲れもでる。札幌の大学は、当たり前のことだが,私の都合に合わせて動いてくれているわけではないから、相当きつい予定のこともあるが、何も予定のない日としてあくことが時にある。一度東京に戻るのは旅費の無駄だし,体も疲れる。もちろん,大学の自分の研究室にこもってピアノを練習しているのも自由だが、それにも飽きてくるとどこかへ行ってみよう,という気にもなる。さいわい、北海道は見るものには事欠かない。あらかじめ,予定があくことがわかっている時は妻を呼び寄せ、一緒にあちこち見て回る。旅は道づれ、ひとりより二人の方が面白い。

 札幌といえば一般にラーメン、というが、私は札幌といえばいまや「回転寿司」ではないかと思っている。そのくらい、札幌にはうまい回転寿司屋が多数ひしめき、値段ばかりでなく、中身を競っている。いくら安くてもまずければダメなのだ。最近開店したばかりだが、空港にまで回転寿し屋があるのは、日本では(外国にあるわけないが)新千歳空港くらいなものではないか。下手なお寿司屋より、はるかにうまい、いいネタのものを食わせてくれるから、わざわざ東京から旅費を払って来ても回転寿司屋を訪ねる価値はあると思っている。私が妻をわざわざ東京から呼び寄せるのは、この回転寿司をくわせるためでもある。そして札幌でいま一番うまい回転寿司はどこか、といえばなんといっても地元の人に聞くにかぎる。

 これまで,いくつかの市内の回転寿司を回ったが、最近では「トリトン」という店がいいのではないかと思っている。回転台の上に回ってくる寿司から選んで皿を取る、というのはもう古いのである。もちろん、それもあるが、下の回転台は従来の方式「普通列車」。回転台は2重になっていて、上の段は「特急」。パソコンの画面で注文を出すと、ものすごいスピードで握りたての皿が到着、寸分違わず目の前で急停車する。ときに職人が間違えて、隣りの駅(?)で停車してしまう,ということも起こるらしい。皿の中にはチップが埋め込まれていて、何十皿あろうと、計算はさっと皿の横をなでるだけでできてしまうハイテク寿司、でもあるのだ。この「特急」の回転台を考えだした人は頭がいい。お客は早くたくさん食べて、早く腹がいっぱいになって、次の客とかわってくれれば営業効率が良くなるわけだから。この業界、いったいどこまで進化するのだろうか。その最先端を札幌に見る思いがする。ゆっくりカウンターで日本酒をチビチビやりながら寿司をつまむ、という「クラシック寿司」にもそれなりの良さはあるから、すたれることはないと思うが、回転寿司はひとりで行っても、大勢でわいわいやりながらいってもサマになる、そしてサイフを気にしなくてもいいという、あらゆる層の客をつかんでいるのが強みであろう。

札幌は雨 [札幌日記]

 先週土曜日、旭川から帰って以来,北海道はずっと雨がちだったようである。当地は本来一番気持ちのいい時期のはずが、これでは観光客には気の毒。東京は雨が降らず、水不足がいわれている。一方、北海道は雨つづきで地盤が緩んでいるから注意するよう,と予報が出ている。今年はすこし変。

 そういえば昨晩20時ごろ新千歳到着の予定だったJALはだいぶん遅れた。というのも新千歳空港がゲリラ豪雨で、なかなか着陸できず、ゴーアラウンド(着陸やり直し)を繰り返したためでもある。でも,羽田に引き返す、というアナウンスもないので,なんとかなる,とは思っていたが、着地寸前に急にエンジンを全開にして飛び上がる、というのはあまり気持ちのいいものではない。だがあの土砂降りの中、無事着陸できるのがあたりまえ、というのはすごい。客室全面のモニターで、通常なら着陸の前から滑走路の誘導灯がくっきりと見えるものだが、今回はそれも雲や大粒の雨で遮られがちになってみえたりみえなかったり。

 おりからJRは函館本線で貨物列車が脱線、本州行き夜行寝台列車は全部運行取りやめ、と札幌駅で聞かされた。かたや航空便はこの悪天候でもどれも欠航にはなっていない。前にも書いたが,やはりいまは地上より,空の旅行の方が確実な時代になってきたようである。

北海道の節電状況など [札幌日記]

 「わたらせ」から2日後、私は仕事と観光(ちょこっとだけ)で北海道は札幌と旭川にいた。ホテルでは朝食後、時間が許す限り新聞には目を通す。特に地方紙が面白い。同じ全国紙でも札幌で読む新聞は東京とはずいぶん扱いが違う。電力事情については、東京の新聞は概して北海道についてはほとんどふれないが、北海道の新聞では北電の記事がトップに来る。札幌の駅前の地下道は照明が半分くらいになり、地下鉄の蛍光灯も間引きになっていたりで、今の東京と似た状況になってきた。北海道は夏はいいが冬の暖房に使う電力が問題で、この冬の心配をしている。本州からの電力を融通するために、これまで海底ケーブルだけに頼っていたのを、青函トンネルのなかにさらにケーブルを増設するというがこの冬には間に合いそうにない。

 もう一つ東京で話題にならないものとして、新幹線が札幌まで延長が決まったのはいいけれど、今の函館本線をどうする、ということが大きな問題になっている。第3セクター方式ではとてもまかなえないほど多くの赤字が見込まれるので、函館本線は長万部ー小樽間は廃止せざるを得ないであろう、という論調が多い。函館ー長万部間は室蘭線経由の在来線直通の列車と、貨物列車のため、廃止は出来ないらしい。それもまた経営は厳しそうである。新幹線が開通したあとの在来線の中でも特に経営が困難なのが旧鹿児島本線の肥薩おれんじ鉄道であろうが、これも参考の材料となろう。函館本線もこうなる可能性が高い。これも東京では報じられないことだが、函館の新幹線の駅名は「北斗函館」ときまった。私は個人的には「新函館」でいいとおもうのだが。。。。

 北海道唯一の泊原発の視察(?)をかねて積丹半島をレンタカーで一周してみた。この記事は次に続く。。。

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