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人はいかにしてボケるか [健康]

 人ごとではないのだが、誰しも年をとってからボケるのだけはいやだと思う。といって特効薬があるわけではない。先日もTVでどうしたらボケないか、という特集をやっていた。定年になってもうちにこもらないで毎日歩く、人と会って話をする、電車に乗ってどこへでも行く、本を音読する、日記をつけるなどなど・・・。誰でも当たり前だと思うことばかりである。でもどうやってみてもボケるときにはボケるらしい。

 知的で創造的な仕事をしていればボケない、というのもウソのようで、たとえばラヴェルも今流に言えば若年性認知症、ということになるのではないか。あのすばらしい音楽を書いた人が、あるとき自分の名前すら書けなくなってしまったのだ。いわれているように、ラヴェルは交通事故のせいばかりではなく、その前から兆候はあったようで、勘ぐればそれが交通事故のきっかけになったとも解釈できる。

 いまのところ、私はさすがに新しい曲の暗譜はだいぶんあぶなくなってきたが、それでも講演は原稿なしでしゃべるし(しゃべりすぎるし)新しいものに対する興味も失せていない。人の揚げ足をとるのも早い。ただ、よく知っているはずの固有名詞が急に思い出せないことが多くなった。これはボケの兆候、といえなくもないが、当面生活に差し支えているわけではない。というか、あまりおしゃべりだと単語を思い出すのに時間が足りなくてかえってボケるのではないか、とすら危惧している。

 人の健康法もさまざま。私のある知人はもう80才を超えているが、彼の健康法はユニークである。年をとったらなるべくよけいなエネルギーを使わず、家でじっとしている。人付き合いもしない。金もなるべく使わない(彼は金がないわけではない)。これでは誰が見てもボケて当然、と思えるような生き方だが、どうして、会ってみればしごく元気なのである。

結局、ボケたらあとはよろしくね、と言い残しておくくらいしか手はないようである。

糖尿予備軍その後 [健康]

 あれから一月あまりたってまた血液検査を受けた。まあそう変わりはなかろうとたいして期待ももたずに結果報告を聞きに出かけた。ところが、である。1ヶ月の間に体重を2キロ減らし、全体の食べる分量、とくに甘いものを減らした。効果はてきめんである。あらゆる数値が正常値におさまった。

 要するに諸悪の根元は食いたい放題食う、ということにあったみたいで、甘いものを減らした結果最大の効果は中性脂肪の減少。200くらいあったのが114に激減。空腹時血糖値が92まで下がった。めでたしめでたし、となるわけだが、払った代償は大きい。ケーキもダメ、大福もダメ、果物もダメ、朝のパンに付けるジャムも激減、ごはんももう少し食いたいところを我慢する。間食は原則としてしない。いわば年中空腹状態(これを昔の人は腹八分目、という)といって過言ではない。食うものが減れば当然家計も助かるから悪いはずはないのだが、こんなので人生生きている意味あるのだろうか、とも思う。いっぽう糖尿病になって足を切られたくはないから、それを思えばまだマシかも知れない。

 それではこれで薬はすべてやめてもいいか、といえばそうでもないようで「薬の効果もあるからこの範囲におさまっているのです」と説明をされれば、そうですか、と納得せざるを得ない。難行苦行はこれからも続く。

みつかってしまった [健康]

だから検査はいやなのだ。いつもの検診で空腹時血糖値が少しあがり始めた(といってもまだ許容範囲なのだが)のでブドウ糖負荷検査をやりましょう、という。渋々半日がかりの検査受けた。案の定、空腹時血糖はいいのだが、2時間後の血糖値に問題があり、このままいけば本格的糖尿病ということになる、という宣告を受けた。でも私は体重は全く標準的だし、これ以上やせてもいいことはないから食事はそう気にする必要はない、と医者はいう。そこで、まあ少し様子を見ましょう、となり、急激に血糖があがらないという薬が出ることになった。糖尿など自分は全く無関係、と思っていたからかなりショックだっだ。

これでは、これまでのように甘いものも果物もなんでも食いたい放題食う、というには、心理的にどうしてもブレーキがかからざるを得ない。糖尿病で目が見えなくなったり、足をちょん切らなきゃならない、となるにはまだ20年もかかりそうだが、そんなに生きているはずはない、とは思っても、まかり間違って長生きして90歳になってから足をちょんぎるのはなあ、となってやはり食いたい放題にはブレーキがかかる。

普通、この段階でみつかるのは一般的にはあまりなくて、もっと進行してからわかるケースが大部分ですから、まあラッキーですよ、と医者は慰めてくれるのだが、一昔前なら、何の問題もなくのほほんと生きていられたものが、検査も精密になればなるほど、我々の年齢、必ずなにか引っかかるものはあるのだ。一日落ち込んだが、こんなもの気にするのはもっと健康に悪い、と悟ってまた同じ生活に戻った、という次第。余録はといえば、急にインターネットで糖尿病の知識をかき集めたくらいなところに落ち着く。

ガン検診 [健康]

 早期発見、早期治療がガンになっても生き延びる最大の予防、といわれ、クリニックに行っても内視鏡検査は楽になりました、とかマンモグラフィーで乳癌の発見を、とか懸命に PRしているが、その受診率は日本は先進国中最低、という。

 面倒だから行かない、というのもあるが、実態は、もし検診を受けてガンと診断される恐怖感にさらされるのがイヤなので、とりあえず、どこも自覚症状もないし、まあやめとこう、となるのではないか、。実際ガンの疑いをかけられて、ガン、と診断が確定するまでの心理状態は地獄である。むしろ、診断が確定したときの心理状態のほうがかえってサバサバしている。

 一度ガンにかかったからこれからは心を入れ替えて、早期発見につとめよう、とは私も思っていない。なぜか。先ほどの恐怖もあるが、発見が早いかどうかで運命が決まる、というのはある部分的な事実でしかないと思っているからだ。どんなに早く発見してもダメなガンも結構ある。検査の見落としだってある。結局運次第だ、と私は思っているから、大したことはやっていない。

 PETで全身のガン検診をやる、というのもあるが、これとて万全ではない。一番手数がかからず、かつ、ある程度の全身状態がつかめるのが血液検査かもしれない。Tumor markerといってある程度のガンはこれで見つかる可能性が高い。これだと、コレステロールとか糖尿の検査の時に取られる、血液でついでに検査もやってもらえるので有り難い。これは何もしない人には手軽でおすすめである。ただし、何もしないよりマシ、という程度と心得た方がいい。

 細かい医学用語は省略するが、これで見つかる可能性の一番あるのは、トップに前立腺ガン、膵ガン、胆嚢胆管ガン。ついである程度見つかる可能性の高いのが、食道ガン、胃ガン、肝ガン、結腸、直腸ガン、肺ガン、腎ガン、乳癌、子宮ガン、これだけある。

 それにしてもまだガン、という言葉にはいまだに抵抗が多いらしく、医者でさえ、ガン、という言葉はあまり使わない。malignant neoplasum(悪性新生物)、Adenocarcinoma,カルシノーマもしくはたんにカルチ、とよくいう。私の前立腺ガンのカルテにも立派にAdenocarcinomaとかかれている。もう術後6年以上もたつが、まだ私は全快、とは医学的には見なされておらず、緩解、平たく言えば、全快とはいえないがだいぶんなおってきた、ということなのだ。だから全快祝いをやる、などというのも医学的にはまだダメなのである。

アホくさ [健康]

 インフル対策とかで、都会ではマスクが手に入らない、という。こんな長野県のいなかの薬局にはあるだろうと思ったが、最初の小海駅の中の薬局はすでに品切れ。それでは、と近くのもっと小さな村の目立たない薬局を目指した。夕方5時頃だったが、あるにはあったが、今朝は入荷したばかりでお客さんは運がいい、これで終わりです。都会の人から頼まれて買いに来る人が多いようです、という。

 確かに運はよかったのだろうが、実は私はマスクが大嫌いなのだ。よほどひどい風邪でもマスクはめったにしない。旅行にもって出かけはするだろうが、よほど混雑しているか、してないと白い目で見られそう、というところ以外は多分使わないだろう。そもそもマスクなど予防対策としては気休めにしか過ぎない。なんでもマスクがオークションで28000円の値段が付いた、と聞く。いっそのこと欲しい人に28000で売ってあげようか、とも思う。アホウではなかろうか。

 前にも書いたが日本人は、というより、マスコミは、といった方がいいのだが、騒ぎすぎなのだ。いいことはあまりネタにならないが、悪いことほど騒げばネタになる。中世から近世にかけて、ヨーロッパのペストの大流行は何年かおきに大流行し、人口が1/3に減ったこともある。村全体がいくつも消えてしまった。もしくは日本の大飢饉の歴史を見ても、壊滅的な凄惨さだった。それでも相当数の人はしぶとく生き残った。東京で3人くらいインフルエンザの患者が見つかったから、といって新聞やTVのトップや、特別ニュースで報道する意味があるとはとうてい思えない。2段抜き程度程度の見出しがちょうどいいのではないか。日本ではまだ誰も死んでいないどころか、まあ普通の風邪程度の症状だという。妊婦や持病患者や老人に感染すると重症化する危険もあるというが、インフルばかりでなく彼らが「重症化」するリスクはこれ以外にも山ほどある。

インフルエンザ・・・どうしよう  [健康]

人ごとだと思っていた。いまでも人ごとだと思っている。こんな南相木村のような山奥に蟄居していれば、インフルエンザなど無関係だ・・・・と思っていたのだが、あにはからんや・・・。

来週は神戸に3日間いなければならない。TVの画面に何度も写った洗足学園にも行かなくてはならない。その後、週末には函館にでかける。自分自身はともかくとしても、どこかで感染してそのウィルスを函館にもっていく可能性もある。はた迷惑である。どうしよう・・・。

私はこの年まで一度もインフルエンザにかかったことがないから免疫はあるとはいえない。が、いっぽう私は概してあと一歩のところで災害に遭わないですんできた幸運が何度もある(こんなもの何の意味もないが)。まあ、なるようにしかならない。Es geht nicht,was nicht geht.

我が家のぜいたく [健康]

 食うものに関しては我が家はジニ係数、というのでしょうか、多分最低の部類でしょう。がたった一つぜいたくをしているものがあります。もともと妻も私も健康そのもの、とはいいがたい体質であり、しかも二人とも下手をしたら死んでいたかも知れない病気にも何度か見舞われたにもかかわらず、こうして元気で生きていることができるのは現代医学のおかげであることはもとよりですが、妻独特の創作メニューにもよるところが大きいとおもっています。

 そのうちのひとつ、毎朝欠かさずのむ新鮮野菜ジュースをご紹介します。誰かから教わった、というわけではないのですが、よさそう、と妻が思うものをつねに取捨選択しながら改良に改良を重ね、現在に至っているので30年以上の歴史があります。しかし、お断りしておきますが、これは私たち夫婦にとって、多分ベスト、と思われるもので、人間の体質により違いますからすべての人に通用する、という保証は致しません。また、こんな面倒なことしなくても元気でいられる人はそれが最高であることは言を待ちません、

材料:
(1)野菜類 パセリ、セロリ、ニガウリ、ブロッコリースプラウト(以上定番)(季節により小松菜、ピーマン、春菊など、キャベツの外側の青い葉っぱが手に入れば最高)     
(2)添加物 寿元(大豆からとったエストラゲン)、米酢、亜麻仁油、MCM(深海水のミネラル)
(3)味付け ヤクルト・リンゴジュースなど

作り方:
(1)を順不同でジュース絞り機にかけます。普通のジューサーではビタミンがこわれるのでダメ、野菜を両方の歯車でプッシュしながら液を絞り出す機械があります。(鉄道マニア風にいうとベベル・ギアにちかいもの)
(2)絞り汁に順不同で(2)(3)を加えます。

これで、かなり飲みやすいジュースになり、長続きしていますが、これを作るのに、毎日30分以上の時間を要します。それとその材料を切らさないようにする、という妻の努力もこれにまけず劣らず大変です。もとより、そこまでして長生きしたいとは思わない、と考え方もこれまたあるでしょう。でもいくつまで生きるにせよ、生きている間は快適に過ごしたい。ひとさまざま、健康に関する考えもまたさまざま、です。

暗譜・譜面を見る、どちらがボケやすいか [健康]

 常識的に考えるなら、暗譜をしてピアノの演奏を続ける人の方がボケにくい、となるだろう。ところがどうも必ずしもそうではないみたいなのだ。最近読んだ本で、著者は精神科医であり、音楽が趣味でヴァイオリンを弾き、アマオケでも演奏をしている、という経歴の持ち主。この医師の調査がおもしろい。暗譜で演奏をする人と、楽譜を見ながら演奏をする人の脳波をはかって、どちらがより前頭葉が活発に働いているかをしらべたところ、楽譜を見ながら弾いている人の方が暗譜の人より、前頭葉が活発に働いている、という結果が出た。

 また、アマオケのプレーヤーと、プロオケのプレーヤーとを同じ比較をしたところ、アマオケのプレーヤーの方が、より活発に脳が働いている、ということになった。著者の解釈では、アマオケのプレーヤーの方がより、新鮮に演奏に接しているが、プロオケのプレーヤーは職業として、単に楽譜を慣れでこなしていることが多いから前頭葉があまり働かないのだ、という。要するに、年をとったら前頭葉をよく働かせるような生活をしていればボケにくいのですよ、ということらしい。(絶対ボケない、という保証ではない)

 そうかもしれない。たとえばショパンの10の1の練習曲を3ヶ月もさらい、入学試験だか、コンクールだかで必死に弾く人の脳の中は、間違えたら大変だ、という恐怖心はあるかも知れないが、どんな面白い音楽的発見があるか、という好奇心はまず皆無といっていいだろう。だが、同じ暗譜演奏でもヴェテランともなれば、ステージで暗譜で演奏をしながらも(暗譜の不安と闘いながらも)常に新しい可能性を探っているものだ。こういう人のステージ上での脳波をはかったらまた違う結果が出るかも知れない。

 精神科医の調査も額面どおりには受け取りがたい。

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