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BEMO考 [BEMO]

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サン・モーリッツの駅で列車の入れ替えを見ていてちょっと不思議に思った。この機関車はRe6/6で、形式が示すように6軸が動力の機関車である。二つの車体が連接で折れ曲がるようになっているはずなのだが、ポイントをくねくねと通るのに折れ曲がるはずの車体がまっすぐのままで通る。その時は理由がわからなかったが、のちにこのモデルをフランクフルトの模型店で買って見てなるほど、と思った。この機関車は横方向に折れ曲がるのではなく、実は縦方向に折れる。この奇妙な構造の理由は、急勾配の多いこの路線で、勾配に合わせて軸重がうまくかかるよう考えられたものにちがいない。

スイスの機関車は大抵、都市、もしくは地方の名称がつけられていて,この701型は「RHAETIA」と命名されている。ラエティア,とはスイスのクールという町を中心としたロマンシュ語を話す特異な地域のことで、いかにも、と納得がゆく。ラテン語に一番近い言語であるらしい。言うまでもないが、スイス最大の私鉄、レーティッシェ・バーンの語源である。

BEMO考 [BEMO]

Bemoはいうまでもなく、軌間13ミリ、実物は1メーターゲージ専門のモデルである。正確に言うと、9ミリ全盛時代にあって、車輪を自分でずらせてNゲージで走らせることも可能 なように作られていてこれは販売促進のための苦肉の策であろう。実際、Nゲージのレイアウトで走らせて楽しんでいる人もいるが、見ていてもカーブなどでさほど不安定になるというふうでもない。

一方、実物の方は、というと必ずしもメーターゲージと限ったものでもなく、スイスやイギリスではほかに800ミリ、600ミリなどが混在している。さすがに600ミリ以下になると、人や物を運ぶには不安定であり、そもそもこういう鉄道は元来、山から鉱石や、材木を運搬するために建設された物が多く、山あいのカーブの多い地形では軌間が狭いほど安定性は不利となる。日本のように狭軌鉄道が高速運転で四通八達している国は世界的に見ても 珍しく、日本をおいて私は例を見ないと思う。島国でしかも高度に、急速に近代文明が発達したため、ある種ガラパゴス化した鉄道のありよう、というのが私の見方である。発展途上国では、多くの場合、いろいろなゲージが混在していて、近代的な鉄道網を発展させるのを妨げる要因となっている。

さて、Bemoであるが、さすがに製品はスイスものが中心で、日本ではあまり一般的でない。私の知人でBemoだけをやっている、という人がいるが、これは例外中の例外であろう。レイアウトを作るには、FallerとかVollmerなどが使えるので問題はないし、HOと同居させてももちろん違和感はない。精度は非常に高く、よくできているが、その分、扱っているうちに手すりや、ステップなどはじきに取れてなくなってしまう。もうひとつ、メルクリンなどと比較すると塗装の質がイマイチで、少し手垢がついても迂闊になんとかしようとすると、塗装がダメになってしまうので、汚れたままで我慢するしかない。
そういう難点はあるものの、これはこれでなかなか味があるので、細々ではあるが、いまだに私は続けている。

南相木日記 [BEMO]

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快晴。

明日からのHbfの皆さんの来訪の準備もあって一日早く南相木入りした。台風一過、かつて見たこともないほどの素晴らしい天気。山並みの稜線が実に美しい。東京ではやったことのないティリッヒのレールで BEMOを持ち込んでの初運転を試みる。組みレールの簡単なオーバルでレーティッシェ・バーンのミニクロコを走らせてみる。BEMOのミニクロコ、レーマンよりずっと小型サイズにもかかわらず、より精密にできている。どの車両もまだ一度も走らせていないものばかり。客車はSBBの狭軌用なので少し合わないが、まあ気にしない。何と言っても場所を取らないのがいい。

多少苦労したが通常レールでは問題はないが、ポイントではミニクロコの排障器がぶつかるので、このままでは無理で、排障器を少し削ればどうにかなるかもしれない。とりあえずポイント抜きで走らせる。そういえば最近BEMOはあまり走らせていない。もう目がますます見えなくなって車両をレールに載せるのも一苦労である。

明日,明後日は晴れ,との予報なのでホッとしている。予報が当たりますように。。。


つづき [BEMO]

私の年代はどうしてもこうなってしまう。新しいヨーロッパ車はそれはそれで興味がないわけではないが、メルクリンとBemoをこうして一緒に揃えてみると、SBBのかたや標準軌、かたやメーターゲージ、という風景、自分は鉄道模型をやっていてよかった、と気分が落ち着く。もう見ることはできない自分の若い日が重なる。1960年代のスイス。センチメンタルジャーニー、とお笑いあれ。実車の世界ではもう不可能だが模型の世界では可能となるのが鉄道模型の良さでもある。
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Deh4/6 [BEMO]

久方ぶりの新しいBemoが入線した。SBB唯一の狭軌線であるブリュニッヒ線専用の機関車だが、姿形は電車のそれであり、形式からもわかるとおり、手荷物室があるスイス伝統の動力車。Epoch 3に属するB-B-B型で動軸は実車もモデルも両端4軸のみ。中の2軸はなんのためのものか私にもよく分からない。屋根の上には例によって巨大な抵抗器。3両の客車がついている。これまでにある新旧客車を全部連結すれば10両くらいの大編成になるが、我が家のレイアウトは山岳鉄道並みの勾配とカーブで残念ながら通行不能。機関車単両でもうちのレイアウトではうまくカーブが通過できない。本来実車はラック区間も走れる傑物なのだが、自宅での運転はできないので、いつかまたHbfで走らせる機会のあるのを楽しみに、今回はとりあえずの入線記念写真のみとなった。なかなか渋くて古き良き時代のつわものである。やはりスイスはいいなあ!

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BEMOの季節 [BEMO]

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 メルクリンやBEMOを忘れていたわけではないが、なにしろ夏はこの部屋は暑いのでついご無沙汰になってしまう。しばらくLGBにはまりこんでいて、ひさし振りに見るBEMOは新鮮に見える。セメント運搬車やら手荷物車の地味なものを少し引っぱり出してみた。

 私の性格として面白そうなものには何でも手を出してみる、というのがたたっているのか、何の分野も中途半端に終わる。これは多少児童心理学をかじった妻にいわせると人間には生まれつき「集中型」と「拡散型」という二つのタイプにわけられるのだそうで、それに当てはめると私は典型的「拡散型」。広く、浅く、やってみるがどれも大成しない。しかし、この性格も悪いことばかりでもないので、いろいろと手を出して見て、当面関係なさそうな物事が、いつかどこかでつながってきて、案外面白い結果になることもある。

 鉄道模型と音楽の世界は案外いろいろなところ、根っこのところでつながっていて、どれもその国の文化の特性があらわれていて面白い。BEMOもやはりドイツの文化だなあ、と感じる。
BEMOもLGBもMÄRKLINもBRAWAもROCOもそれぞれに捨てがたい。Zもやってみたいのだが、これは何とか今のところ思いとどまっている。

ミニクロコ [BEMO]

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 これもいつか買ったのを忘れていたらしい。スイス最大の私鉄、RhätischebahnのミニクロコはLGB版も所有しているが、LGB版はうちのレイアウトには少し大きすぎる感じがする。一方、BEMOの大きさになると文字通り「ミニ」クロコになるから長い編成も可能となる。やはりこれにはこういうセメント運搬車のような地味な貨物列車が似合うような気がする。カウンターウエイトのホイールも含めて8軸全部が駆動軸になっているのもめずらしい。

 小さいけれど、クロコディルはクロコディルであって「ワニ」。やはりいかめしい無骨な感じはよく出ている。LGB版が少々大味でもあるせいか。BEMO版はかなり細かいところまでこのサイズにしてはよく作り込まれている。塗装の色合いはBEMOのほうがやや暗く、くすんだ感じがする。これも片や、屋外で太陽に照らされながら運転するのに対し、BEMOはまず屋内以外考えられないから、そのあたりも考えて微妙な色合いの差がつけられているのだろうが好ましい感じがする。

Rhätischebahn開業120周年 [BEMO]

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 この貨車はレーティシェバーン開業100周年にさいしてBEMOから発売されたものだが、これで見ると今年はレーティシェバーン120周年記念の年、ということになる。この鉄道の最初の開業は1889年Landquart-Kloster間33キロを蒸気運転でオープンしたのがはじまり。以下、順次工事が進められてChurーArosa間の1914年を最後の開通として現在の形になった。しかもこの時点ですでに全線電化している。これは世界の鉄道の中でも全線電化の早さ、という点ではめずらしいものはなかろうか。急勾配やトンネルが多いこの路線では蒸気列車の運転は困難を極めたであろうし、スイスは山国だから、早くから水力発電が行われていたのは周知の通りで、この電化の早さも当然と思われる。

 今年はどのようなイベントが行われているのか知らないが、お読みになったかたからもし情報でも頂ければありがたい。それでも、100年という節目でも有蓋貨車にこんなアンバランスな表示がされているだけ、というのはユーモラスで面白い。そして写真からは読みとれないがドアの真ん中に「蒸気列車友の会」という広告が同時に描かれているから、やはりこのボロい貨車、ただ者ではないのかも知れない。楽しい1品。

スイス国鉄の狭軌線 [BEMO]

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 Luzern-Interlakenを結ぶBrünig線はスイス国鉄唯一の狭軌鉄道である。この路線自体、風光明媚なところを走る上、PilatusbahnやRothornbahnなどの有名な山岳鉄道の起点を結んでいる。鉄道マニアのためにはラック区間もある、という面白い観光路線だが、狭軌、というのが輸送のネックになっていて、ほかの国鉄路線からは乗り入れられず、観光路線としてイマイチ問題がある。これを標準軌化してしまおう、という計画もあるようだがまだ実現の段取りには到っていない。途中のMeininngenで機関車をつけ替えて折り返ししなければならないのも問題の一つ。

 そこを走る車両は、RhätischebahnやFOともまた違った車両で、どちらかといえばミニスイス国鉄版、といった趣が強い。ただ食堂車を連結するほどの距離ではないため、通常の編成には組み込まれないが、イベント列車にはこのようなBar客車がつくこともある。スイスらしい、シャンパンの栓を抜いた瞬間の大胆な絵が描かれていてなかなか楽しいが、私は実物は見たことがない。通常の2等車の改造のようにみえる。


 

無題 [BEMO]

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 地味なモデルであるが、B2200というオープンデッキのRhätische Bahnの2等客車。Rhätische Bahnをはじめ、スイスの多くの私鉄は20世紀のかなり後までこのようなオープンデッキ客車は廃車にもされず、しぶとく生き残っていた。私は 13ミリのナローといえばBEMOしか知らないのだが、蛇の道は蛇でこの業界も数知れぬメーカーがあるようである。これもその一つでSTL-modelというスイスのメーカー。昨今鉄道模型メーカーはどこも大変なのであろうが、それにもかかわらずこういう地味なモデルを出し続けているヨーロッパの模型界は本当に懐が深い、という感じがする。

 このメーカーの特徴は、重量感があることで、BEMOのように附随車は極力軽く作る、というスタンスがないので、走行に安定感があるかわり、長大編成はムリだし、我が家のような急勾配の路線には向かない。まあそれでも、これはそれほどの大編成を前提としていないのであれば、この重量感のあるモデルもそれなりの存在意義もあろうというものだ。私はとても気に入っている客車の一つ。

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