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元祖トルコマーチ [ピアノ音楽]

トルコという国は旅行してみるとなかなか面白い。エジプトと並んで中近東のツアーの人気の高い国である。トルコ風呂、といういかがわしいものはもう日本ではすたれたが、ピアニストとしてみるなら、何といっても、興味はトルコ行進曲の元祖である。ところがふつうのツァーには元祖トルコマーチを聴く、というのは旅程には組まれていない。

でも音楽に興味のある人ならイスタンブールにいったらまず軍事博物館を訪れることをおすすめする。但しこれは夏の観光シーズンだけだが、オスマントルコ時代の有名なイエニチェリ軍団の衣装と楽器で演奏されるこれぞ元祖ともいうべきトルコマーチを聴くことが出来る。オスマントルコ軍はウイーンを包囲したもののかろうじて撃退された。しかし、オスマントルコの軍楽隊はヨーロッパやロシアで人気を博し、西洋の音楽にあちこちその痕跡を見ることが出来る。モーツアルトやベートーヴェンのトルコマーチはいうに及ばず、第9シンフォニーの終楽章のマーチや、後宮からの逃走の序曲など、影響は意外に大きい。で、この軍楽隊を聞くと、これらの音楽のルーツをなるほど、と納得がいく。

楽器の主体はやはりオーボエ属、トランペット属、小太鼓、が主体で何しろ軍楽隊だからばかでかい音を出して敵を威嚇し、味方を鼓舞する必要から生まれたのであろう。西洋にもたらされた楽器はおもに東からここ、トルコを中継点としていろんなルートで広がったのだろう。

もう一つ付け加えるなら、使徒パウロの遺跡は至るところにあるから、これも見所。あれだけ苦労してパウロが布教したにもかかわらず、いまでもトルコは95%くらいがイスラム教で、これではEU加盟は難しかろう。メンデルスゾーンの「パウロ」の最後ではトルコのエフェソスで人々に別れを告げるところで終わる。嘘か本当か、イエスが十字架につけられて以後、マリアはこの地に来て亡くなった、と信じる人がこの土地には多くいて、マリアをまつった教会まである。
やっぱり本で読むだけではわからないことが、実際その土地に行ってみるといろいろある。


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