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DMVとはなにか [鉄道全般]

  DMV=Dual Mode Vehicleさしずめ、2方式車両、とでも訳するのだろうか。確かヨーロッパでは水陸両生動物、といったような表現が使われていた。鉄道雑誌を精読している方は既にご存知と思うが、わかりやすくいえば、鉄道線路と道路を両方走れるバス、と思えばいい。私は昔からこのアイデアがイギリスやドイツで試みられたことは知っていた。メルクリン製品でメルセデストラックでこんなものが作られたことがあったような気がするのですが、ご存知の方は教えてください。でもこの試みは実車では実用にはならなかった。

 北海道は過疎地が多い。過疎地の鉄道にはキハ150あたりでもなお無駄なことが多い。そこで、マイクロバス(定員16)を改造してバスの両端にフランジ付きの車輪をつけ、バスは後輪駆動、5000ccのディーゼルエンジンで駆動する。後輪のダブルタイヤの内側のタイヤで線路上は走行し、道路を走るときはこのフランジ付きタイヤは飛行機の車輪のように格納する。この間10数秒。メリットは車両の値段がデーゼルカーに比べて7分の1ですむこと、燃費は当然わずか、レールに与える影響が非常に少なくてすむ、さらに鉄道車両のように3両まで連結し、総括制御が可能なこと。(道路上では切り離してそれぞれに運転手が必要になる)  3両連結でレールを走ってきたバスが駅について切り離され、道路上をそれぞれ違った3方向に走り出す。乗客は乗り換える必要がない。考えただけでも面白いねえ。
 面白いのは最新のテクノロジーを使って後のタイヤとフランジ付き車輪との重量の配分を4:6にしてタイヤがスリップしない程度にもちあげて、タイヤの摩耗を最小限に抑える装置。何しろ極寒の地を走るから、安定走行とスリップに対する細心の対策が必要になるが、これは、雪国ならではの除雪車の技術が盛り込まれている。4月から試運転かたがた、一般にも解放している。

 これを面白がってぜひみたいという人のために、北海道で一番果ての釧網線の浜小清水という駅から土日を中心に運転している。つまり、これをみるためにはJRに乗ってこの果ての地までこなくてはならない。札幌近郊でやったのではJRとしては商売につながらない、ということなのだろう。なかなかにくい。

 これを運行するためには、これはバスでもなく、鉄道車両でもないから、これに関する法規がない。まず法規ができないと試運転すらできないのだ。(以上3月31日付の北海道新聞の記事を一部参考にしました。)


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Akira

DMVは、群馬県のわたらせ渓谷鉄道でも興味を持っているようです。ここの路線は、沿線に観光地があるのですが、生活圏としての人口が少なく、自動車利用が多いため、赤字続きの路線です。かつては足尾銅山の貨物輸送で栄えたようですが、現在はもちろんその使命を終えています。わたらせ渓谷鉄道の場合は、終点から道路を通って日光迄結べば観光路線として利用者が増えるのではないか。という期待があってのことです。

さて、この線路道路両用車輛ですが、1960年代だったかにドイツでもAnfabienbusという名称で同様の車輛がありました。形状はバスに近く、線路を走るガイドタイヤが別に付いていました。しかし、この画期的な車輛もドイツではあまり良い成績はあげられず、姿を消してしまいました。

私がJR北海道のDMVを知った時、何故同じことをするのだろう?という疑問が頭をよぎりました。わたらせ渓谷鉄道でも高崎から日光迄直通運転するぐらいの規模にしなければ、乗客の増加対策としては中々難しいのでは?と思う次第です。

余談ですが、メルセデスのウニモグに鉄道用車輪を履かせた工事用車輛は日本でも各地で活躍していると思います。東京都電など案外身近なところにもありますね。
by Akira (2007-04-06 20:59) 

klaviermusik-koba

楽しそうな旅行記ときおり拝見しています。うらやましい。Deutsches Museumは鉄道、音楽、それぞれ独立した博物館としてみても大変な規模のもので、 Muenchenに長く住んでもごく1部しか見ていません。

DMVは突然考え出されたものではなく、工事用車両としてはすに長年実績があり、それを旅客用として使えないか、と思っているうち、幼稚園児送り迎えのミニバスを見てこれを使えばいけるのはないか、というのがきっかけだそうです。

閑散路線といえども通学通勤時間帯は定員16人のバスではどうにもなりませんから、そういう時間帯は通常の列車も使うそうです。
1列車2,3人しか乗らない時間帯に定員60人のディーゼルカーを走らせるのは無駄、という発想です。

これまでのやり方と違うのは、連結して総括制御ができるのが、画期的でこれなら旅客の需要に応じてきめ細かく運用できるのではないでしょうか。

これは全国の閑散路線をもつ地区から相当反響があって、かなり注目されているようです。実験を担当している人の話では、そんなに簡単にレールの上を走るわけがない、と思っていたがやってみると思ったよりスムーズに走るそうです。これの模型が会長の応接室にLGBのレールの上にのって、一番目立つところに飾られていたから、JR北海道の熱の入れようもわかるというものです。

では気をつけて旅をお楽しみください。
by klaviermusik-koba (2007-04-07 09:29) 

門脇 篤

久しぶりに貴殿のブログ 拝見しました。先日三岐鉄道北勢線阿下喜駅にボランテアが借りていた下工弁慶号1907製を動態に整備して返済期限の4月1日に返したのですが 3年間の借用期間にイザコザが絶えず何のために借用したのかわかりません。でも最後の走行運転をビデオにおさめました。機会があれば見てください。詳しい事情は電話でもお話します。
by 門脇 篤 (2007-04-07 12:18) 

klaviermusik-koba

kadowakiさん、ごぶさたしました。コメント有難うございました。阿下喜駅に1907年製のの動態保存の弁慶号があったのですか。
これは見たかったですね。今どこにあって誰が管理しているのでしょうか。ビデオはぜひ一度見せてください。

年とともに昔のように鉄道が面白くなり、(音楽もそうですが)年をとるというのは楽しい、何といっても長い間の知識の集積がありますから、何を見ても面白い。
by klaviermusik-koba (2007-04-07 17:57) 

大澤徹訓

DMVは去年から今年にかけて、富士市の岳南鉄道でも実用化に向けた試運転をしておりましたね。案外簡単に踏切などの場所で鉄道からバスに、またその逆にと切り替えが出来るので、面白いなぁ、とニュースを見ておりました。
発想はいろんなところに転がっているものなのですね。面白いことです。
by 大澤徹訓 (2007-04-09 00:03) 

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