SSブログ

電子ピアノその後 [ピアノ音楽]

 どうやらこの電子ピアノの世界、これまで私が知らなかっただけで、現実は私の思った以上のところまで進化をとげているようだ、ということを今回思い知った。

 表参道のカワイサロンに実際のコンサートと同じように楽器を設置してもらって試し弾きをしてみた。まず、機種の多さにもびっくりしたが、機種によって音色がずいぶん違う、という認識を持った。今回はなるべくバロックオルガンに近い音色、ということに焦点を当ててみたので、電子ピアノ全体から見ると、ごく一部分の性能を見ただけかも知れない。前もって店頭でいろいろあたってみてその中でこれ、というものをホールで試してみたが、バロックオルガン、というレジスターのなかでも、プリンシパル、ディアパソン、それの8フィート、8フィート+4フィート、フルオルガン、などいくつかの選択肢がある。お互いある程度の組み合わせも出来る。教会の結婚式の伴奏くらいならこれで充分だろう。それとちょっとした通奏低音くらいならこれでもいけそうだ。

 もう一つびっくりしたのはオランダ製の電子オルガンが店頭にあってこれはもう、どう見ても本物のオルガンである。本物のパイプオルガンとこれとを並べて弾かれても、私はどちらが本物か正直のところ多分判定できないだろう。ストップの数も40くらいはあろうか。もうこれはとても私の手に(足に?)負える代物でない。さらにこれにはパイプさえもあって、その中に組み込んだスピーカーから音がでるものだから、あたかもパイプそのものから音がでているように聞こえてしまう。

 本物のオルガンとの違いがあるのは、昔のふいご式のパイプオルガンは鍵盤を押さえるのと実際に音がでるのにわずかなタイムラグがあったものだが、最近の電子オルガンはその微妙なタイムラグまで作り出してしまうから、もうあっぱれというしかない。逆に近代的な本物の(というのも変だが)オルガンはそんなタイムラグもなくなってきているから、いよいよ「本物」と、「もどき」との差がわからなくなってきた。

 ただピアノに関していうならば「本物」と「もどき」の差はあらゆる点でやはり厳然として存在する。電子ピアノはまだいまのところ本物のピアノの代替品以上にはなり得ていない。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。