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「さくら」物語(鹿児島) [鉄道全般]

 九州新幹線の全通に伴う列車名が「さくら」と決まったのはご承知の通り。ちょうど鹿児島にいたので、この話題はどこの席でもでたのだが、何しろ再来年の話。気が早いといえば早い。

 「さくら」は日本では「つばめ」「冨士」と並んで昔からある伝統的な特急名だが、「さくら」はこれまで常に、「つばめ」と「冨士」もしくは「はと」を補完する3等特急、という格下の地位に甘んじてきた。私も大阪ー東京間をスハ43という普通急行並みの「さくら」に乗ったことはあるが、これでも特急かあ、とひどく落胆した記憶がある。それでもブルートレインになってからはその悪いイメージも薄れたし,九州新幹線で今度こそは本当にその名誉を挽回するのであろう。鹿児島の人にいわせると今度は同じ「さくら」でも鹿児島湾(錦江湾)にある「桜島」に由来するのだそうで説明としては多少我田引水的な気はするが、それなりに自然で納得はいく。「桜」の季節に名称が決まったのも偶然ではない気がする。

 私が小学生の頃何10回も夢中で読み返した一冊の愛読書がある。題名は忘れたが内容は「冨士男」くんと「さくら」さんという二人の子が鉄道員であるおじさんに連れられて東京ー大阪間を、鉄道に関する説明を聞きながら旅をする、という設定である。いま思い返してもそれはかなり専門的な説明で、私も小学生ながら、螺旋連関連結器、という難しい名前も覚えたし、それがどういういきさつで、どのように自動連結器に取り替えられたか、という話や、日本の鉄道には甲線、乙線、丙線という区別があって、それぞれ50キロレール、37キロレール、30キロレールとなっていて,蒸気機関車の軸重がレールに及ぼす影響、という話も難しいながら何度も読んでいるうちにすこしづつ分かり、この本が私の鉄道に関する知識の出発点になった。

 蛇足ながらもう一つ鹿児島の「さくら」の話題を。鹿児島は東京では聞き慣れないめずらしい苗字が多い。昨日お会いしたある女性の苗字、「姥」(うば)という方もそうである。そのご両親が「さくら」という名前にしてくれなくて良かったねえ,と,会のあとでひとしきり盛り上がったが,もとより,意識はされたがゆえにそうはならなかったのであろう。

 なにはともあれ,新しい「さくら」さん、がんばって下さい。お会いするのを楽しみにしていますよ。
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