SSブログ

横井和子ピアノリサイタル [ピアノ音楽]

 横井先生、90才のお祝いのリサイタルなのである! 多分日本人としては最高齢リサイタル記録なのではなかろうか。それも全部暗譜、日本人の現代曲も含めて。これはもうただただ敬服のほかない。さすがに全体は短めのプログラムではあるが、もうこの年齢になれば、解釈がどうとか、テクニックがどうとか、というのはすべて超越している。

 ガルッピのソナタ、ベートーヴェンの月光ソナタ以外は小品であるが、ひとつひとつの曲を慈しみ、楽しんでピアノを弾かれる境地はとうてい凡人の及ぶところではない。戦中戦後、結婚したばかりのご主人を戦争でなくし、筆舌に尽くしがたいご苦労もあったと聞く。それらすべてを含めて、今はこうやってピアノが弾けるのが何より幸せです、と語っておられた。さもあろう、なるほど、と私も深く感じ入った。

加えて会場であるお茶の水の日本大学に吸収されたカサルス・ホールもこれが最後の演奏会になるのだそうである。私にすれば、まだ最近出来たばかりじゃないの、という感じだが、私も度々経験したステージ、あの素晴らしいホールがオルガンとともに消えるのは何としても惜しい。残念である。


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 2

K.

カザルスホールの最後の公演が
横井先生の演奏会であったのですね。
ホールの最後の公演とは知りませんでした。

ピアノの世界の大先輩方が、
本当にこのように頑張られていらっしゃる姿を拝見すると、
慌ただしく(でもなんかきちんとこなせないまま)
はたはた過ごしている自分のことを
かなり恥じてしまいます。

別記事の赤ちゃんヤモリちゃん、ちょっとかわいそうでしたね。
ゴキブリが繁殖しない、というのはうらやましい!!!

私はゴキブリ大嫌いなので、彼らの姿を見る事がないドイツが、
そこの点はなおさら大好きです。
by K. (2010-03-18 19:54) 

klaviermusik-koba

大慌てで過ごしている時代もあってもいいのです。人生、時代により忙しいときもひまなときもある。いずれにせよピアノは忘れないようにしないと。大先輩からの教訓でありました。

ゴキブリとネズミがうちにいないのはなぜでしょうねえ。家の構造にあると思っています。夏、窓を開けていると、よそから飛来してくる(ゴキブリは飛べるのだ!)ゴキさんはいますが、たたきつぶせばそれ以上は増えません。
by klaviermusik-koba (2010-03-19 08:36) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

指揮棒脱線の原因 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。