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出来損なった傑作 [音楽全般]

 ブラームスの作品76の2のカプリッチオや第4シンフォニーのスケルツォなどの諧謔精神を持った作品は古来毀誉褒貶があるが、それを出来が悪い、とおおっぴらにいうと、何を馬鹿なことをいうか、どれもブラームスの傑作、おまえがわかってないだけなのだ、の大合唱にかき消されてそれきりになってしまう。もとより日本ではなおさらのこと。

 でも私は思うのだ。ミューズの女神もときにはミスをすることもあるのではないか、と。べつにブラームスがわるい、というのではないが、ミューズの女神があのメロディを与えるべき作曲家をもしかすると間違えたのかもしれないのだ。こういうメロディはたぶんブラームスにははなはだ不向きで、これをビゼ、ドリーブ、サン・サーンスのような作曲家のもとに女神がほほえんで舞い降りたならばきっと素晴らしい歴史に残る大傑作が残ったかもしれないのに惜しいことをした、とも思う。やはりこれは出来損なった傑作といえないか。

 ちなみにドリーブ自身は「おれは対位法のことはぜんぜんわからん」とうそぶいていたそうだが、そういえばこのようなメロディはあまり対位法向きではなさそうである。それでも音楽学校の作曲科の先生はつとまっていたようだ。

            (ドリーブの歌劇「ラクメ」を聴きながら)

 
 
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