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1830年のプレイエル [ピアノ音楽]

 浜松の楽器博物館の所蔵になる1830年製のプレイエルのショパンだけのプログラムコンサートがあるので出かけた。プログラムの最後にドイツ初版を基本とした弦楽5重奏の楽譜による第2コンチェルトがあるのも興味をひいた。

 1830年といえばショパンが2つのコンチェルトを作曲したときとほぼ時代を同じくするので、なおさら意義のあることといえる。コミネックによるショパンのコンチェルト弦楽4重奏版は問題がいろいろ多いことはこのブログでもこれまで指摘して置いた。このドイツ初版をもとにしたコンサートは私は初めて聞くことになる。とても興味深かったが、これについては演奏のソースとなったスコアを見ていないのでここではコメント出来ない。

 小倉貴久子さんの演奏そのものも素晴らしかったが、この楽器はショパン没後150年のおり、東京でも展示されて私も実は何曲か弾いたことはある。しかしこれは自分の手には負えない、とそれ以後私はあまり興味を示さなかった。昨夜演奏に触れて思ったのは楽器は生き物であり、博物館にただ置いてあるだけではあまり意味がないということである。(ないよりはマシだが) やたら使うとこわれるから、という理由だろうが、使われなければその楽器は死体で保存されたのと同じ状態になる。楽器は音が出てなんぼのものだからだ。このように楽器をいい状態に保ち、それにふさわしい技術者と演奏家を得てはじめてこの楽器の真価を 理解させてくれる貴重なコンサートであり、ショパン没後150周年の時に触れた楽器がいま息を吹き返した、という実感をもった。
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