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ある新年会 [プライベート]

 毎年、正月に続けているプライベートな新年会がある。昔の芸大教授時代の私のクラスの学生たちが集まる会で、人数は一つのテーブルを囲めるくらいだからせいぜい10人程度に声をかける。別にほかの人たちを排除しているわけではなく、来るものは拒まず、という姿勢なのだが毎年だいたい適当な人数が集まる。

 私のクラスは先生に似て過激な論客が多いので、さすがおしゃべりの私もだいたい黙って彼らのやりとりを聞いている。だが昨晩は多少気になる話もあった。学生時代、私はあんまり学生たちのレッスンに熱心ではなくてサボりがちであり・・・というような話がつづき、さすがに私に気兼ねをしたか、それでも先生はあまり教えないから学生の方が先生を頼りにせず頑張ったので、よく成長したんだよね・・・という話になる。それに比べ、最近の学生は一生懸命教えてやってもザルみたいでさっぱり歩留まりがない。やはり教えすぎるのはどうか・・・という愚痴でおわる。

 まあ時代も違うのだ。教えないのも困るのだが教えすぎるのもまた学生を怠け者にする。最近は学生は、先生は熱心に教えるのが当たり前で、自分が上手にならない、もしくは成績が上がらないのはことごとく先生の教え方が悪い、となる傾向が強い。

 私だってそういつも怠けていたわけではない(時には怠けたが)。当日集まった学生は全員みな頭の回転がとても速く(議論をきいていてもわかる)十分な才能のある連中の集まりだったから、私は学生時代の彼らには少し考えるヒントを与えるだけですんだのだ。私は彼らの才能を信じていたし、時には信じすぎてもいた(それを今になってあまり教えなかった、といわれてもなあ)。音楽大学も時代も変わった。「先生」の認識も変わらざるを得ない。
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