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上野学園のピアノ講座 [ピアノ音楽]

 上野学園大学の高校生に公開講座を、という依頼で出かけた。2名の高校1年生がそれぞれリストのメフィストワルツとベートーヴェンのOp.111を弾くという。あらかじめ私に知らされていなかったが、聴講生(?)は全部大学のピアノの先生。最近大学で義務づけられているFD(Faculty Development)の一環だそうである。でもさすがの私も海千山千の先生を相手に私が1時間半という短時間の間に生徒にどうレッスンをし、どう結果を出すかを観察されるわけで,少々ビビった次第。

 それよりもびっくりしたのは、高校1年生がこの稀代の難曲を弾くというから、失礼ながら中身は大したことあるまい、とたかをくくっていた。しかし男女二人のこの生徒たちの演奏を聞くに及んで私は少なからず感銘を覚えた。単に弾きこなしている、いうレベルでなく、とくに難曲のベートーヴェンの111はかなりの完成度に達していて、申し分ないところまで仕上がっている。そこで急遽、私は方針を変えて、もっとハードルの高い音楽性の深さにまで踏み込んだ。高校生相手としては異例のことである。

 あえて二人の名前は書かないで置こう。もしかすると第2の辻井伸行君になるのでは、という期待すら抱かせた。だが上野学園のピアノの先生も人が悪い。この才能ある二人を、完璧なレベルまで仕込み、その上であえて、その演奏について私がどうコメントするか、私の指導者としての実力を試されたのではないか、(私のためのFDか?)とも勘ぐった。演奏がそこそこ下手であれば、少々的はずれなコメントをしてもそう素姓はバレないものであるが、すぐれた演奏に接したときのコメントが的を得ていないとすぐにバレて、下手をすればその先生の権威は地に落ちる。すばらしい才能が私立大学でも続々育っていることをまのあたりにしたのはうれしい。

 この私の講座は年1回、来年もこの時期に行われる。

 
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