元祖トルコ行進曲 [古い旅のアルバム]
イスタンブールの名物の一つとして、軍事博物館がある。東ローマ帝国1000年の歴史を覆した当時最強を誇るイスラム軍の軍隊に関する博物館で見応えがある。なかでも音楽家にとって見逃せないのは、トルコ軍楽隊がほぼ当時のものを復元した衣裳と楽器での演奏である。
のちに西洋に渡って発展した楽器はここが一つの大きな中継地点のひとつになっているようである。オーボエ、トランペット、大太鼓、シンバルなどの原型ともいえる楽器の数々が見られる。コンサート会場はこの博物館の一角にしつらえられており、舞台を中心に半円形のギリシャ劇場風になっている。モーツアルト、ベートーヴェンをはじめ、多くの作曲家が名曲を残したトルコ行進曲の元祖ともいえる曲の数々がここで聴ける。トルコ行進曲独特のリズムパターン、というものが実際に聴いてみると、なるほどと納得がいく。
軍楽隊というのは、イスラム軍の場合、味方の軍隊を鼓舞すると同時に敵に向かって威嚇をする役目が大きいので、質はともかくとして出来る限り大きな音がする楽器がのぞましい。そこで、トランペット、オーボエ、大太鼓、シンバル、となるのである。もとより、コンサート会場ではそんな大音響は必要ないが、それでも、西洋音楽で使われる楽器の原型がたくさん見られるのは興味深い。
軍事博物館は日本からのパックツアーには含まれないし、個別に旅行する人もたいてい知らずに見逃しているのは惜しい。トルコを旅行されるかたはぜひお見逃しなく。但し楽隊の演奏は夏のシーズンに限られる。
2013-04-14 18:59
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