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スーパー・コンステレーション [旅行]

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最後のレシプロエンジンの旅客機、ロッキード社のスーパーコンステレーション。1967年にすべて退役しているから、これももう最後のお役目に近い。画像は1962年デュッセルドルフ空港。デュッセルドルフーミュンヘン間の飛行だった。当時は飛行機はまだ特別な乗り物だったから、そう気楽にだれでも乗れたわけではない。貧乏学生にはもちろん高嶺の花。日本から来た知人の商談の契約に関する通訳を依頼されてくっついていったからこそ乗ることが出来たのである。

垂直尾翼の3つついた独特のスタイルだが、今こうしてみてもじつに美しいフォルムをしている。美しいデザインは時代が経っても古くならないもののようだ。空港もこのように地面からタラップで乗る、というのがふつうで、今やよほどのローカル空港でないとこんな情景は見られない。雨が降ると傘を貸してもらって空港ビルからかなり歩かされるのが当たり前だった。

飛行機に乗るのがいかに特別なことだったか、と言うエピソードを一つ。私が羽田空港から初めて国際線に乗ったときには、私はエコノミー(エコノミーと言う言葉さえなかった)であったにもかかわらず、空港ビルからSASの搭乗機までは赤いじゅうたんが敷かれ、脇には金色のロープが張られていた。現在ではVIPであってもそんな扱いはしない。ちなみに当時の東京ーヨーロッパ間の運賃は一律往復45万円。当時の庶民にとってはこれは一財産に相当するほどの額であった。

もうひとつのエピソード。これは札幌の人から聞いた話だが、1960年当時は北海道の地方新聞には、前日、東京行きの飛行機に乗った乗客の名前を報じるコーナーがあったという。本当の話である。50年という歳月は、経験者としてはついこの間のような気もするが本当に世の中を何もかも変えてしまう。
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