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エステ荘の噴水 [ピアノ音楽]

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リストのピアノ曲に「エステ荘の噴水」というよく知られた曲がある。噴水、といえば公園とかビルの片隅にある噴水を思い浮かべるのは無理もないが、リストのピアノ曲はとてもそんなものではなく、もっと豪壮な、噴水というよりは滝を想像させるような重量感があり、スケールが壮大である。エステ荘はローマからさほど遠くない山の中腹にあり、現代のように当時はモーターは使えないので全て自然の重力を利用して、広大な敷地の中に点在する噴水に様々な工夫が凝らされている。名所というものは、曲の題名につられて現場に行ってもたいていがっかりさせられるか、こんなちゃちいものからよくこれほどの名曲ができるか、と作曲家の想像力の豊かさに感嘆させられるかのどちらかだが、ここの噴水は、あれを音で表現するとすればまさにこうなるかなあ、と曲の出来ばえにも、現実の噴水にも感心させられるのである。

ポピュラリティからいえば、ラ・カンパネラなどとともにリストの最もよく知られた曲の一つであろうが、内容からいえば必ずしもリストの最高傑作とは言い難い。が、この曲の技法がのちの作曲家に与えた影響は大きい。素人受けがする、というのは言い過ぎかもしれないが、リストの曲としては、技術的にそうむつかしくない割に聞き映えがする、という点で人気があるのであろう。その割にはピアノを弾く人でも、ローマに行ったら何はともあれ「エステ荘の噴水」を見に行く、という話はあまり聞かない。観光ルートに入っていないせいか、実際見た人は案外少ないのではないか。ローマからエステ荘行きの観光バスが出ているから、それを利用すれば日帰りで十分堪能できる。ローマまで行ってエステ荘を見ないのは惜しい。
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