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ピアニストはなぜボケないか [プライベート]

私は認知症という言葉が嫌いなので使わない。なぜ「ボケ」で悪い。物事をきちんと「認識」できる症状であるならなぜ「ボケ」なのか。「認知困難症」もしくは「認知機能退化症」なら納得できるのだが。ともあれ「認知症」についての記事が新聞や雑誌にのらない日はなく、特集記事も珍しくない。当然ぼけない対策としての予防法も披露されるが、脳も老化は避けられない以上、これといった決め手はないようである。

ピアニストは医学的統計からはどうかわからないが、経験則から言うと確かにボケは少ない。これまで現役で活動している人で、ボケた、という高齢ピアニストは滅多に聞かない。ボケたからピアノが弾けなくなった、というより、いい加減にしかものを考えないピアノを弾いてるからボケる、ということはあり得る。指を動かすのが脳に刺激を与えるからいいのだ、という説が多いが私はそうは思わない。話は真逆で、ピアノを弾くのに、指が動くのは結果であって、それ以前に曲の素晴らしさに感動し、なんとか自分の力で曲を自分なりに再現したい、という強い感受性と意欲が原点でなければなるまい。曲として聞くに耐えるようになるまでに、複雑な曲構造を理解し、技術的に困難な箇所をどう克服するか、といった知的活動が脳を活性化するのであろう。昔から弾き慣れた曲をただ機械的に何十回繰り返してもボケ防止には役立たず、歯を磨くのとたいしてかわらない。指を動かすことよりもそこに至る知的活動がボケ防止に役立っているのではないか、というのが私の意見である。

もうひとつ見逃せないのがペダルである。ピアニストは足の運動をしない、と思われているが、ペダルを踏む運動力はハンパではない。普段私もあまり意識しないが一度、足に怪我でもして痛めてみると、いかにペダルを踏むということが、複雑、かついろいろな足の筋肉を必要としているかがわかる。ただ、左のペダル(弱音ペダル)は右のペダルに比べると出番は少なく、両足の使い方のバランスは悪い、ということは問題点として残る。

もとより本稿は一般論としての話であって、私に関して絶対ぼけない、と自信を持って言えているわけではない。いや、最近の物忘れのひどさから言うとあまり自信はない、というのが正直なところではある。

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