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四日市音楽協会 [ピアノ音楽]

「四日市音楽協会」というのはもともと、終戦直後で何も面白いものがない頃、亡父が音楽好きな友人たちと語り合って運営した会で、年に何度か中央から著名な演奏家を招いての本格的なコンサートを聞くのが趣旨であった。当時地方都市ではナマの音楽を聴くことは滅多にできなかったので、結構よろこばれたようである。

今回の「四日市音楽協会50周年記念」の会はそれとなんらかの繋がりがあるのかどうか分からない。あったとしても50年前、といえば、私はもう社会人だったから年代的にも合わない。いずれにせよ、2年くらい前から、50周年記念事業として講演やピアノを聞かせて、という依頼があった。私が昔、作曲した四日市中央小学校の校歌も子供達が歌ってくれる、という一風かわったイベントである。

校歌はこれまでもいくつか作曲をしているが、この曲だけは良く記憶している。ヘ長調、8分の6拍子、というもので、アルペンホルン風な短い序奏がつく上、3番目の歌詞が長いので3番だけは別なメロディとピアノの後奏がつく、おまけに二重唱、という小学校校歌とは思えない凝ったもので私自身にも愛着がある。小学生には少し難しいからあまり歌われることもなかろう、と思っていたが、この日の演奏の出来はなかなかのもので、私はとても嬉しかった。「どういう経緯でこういうちょっとかわった校歌になったのですか?」という質問に対して「実はタネを明かすと、これはベートーヴェンの田園交響曲の終楽章のヘ長調、8分の6というアイデアをパクったのです。子供達が行進曲風な4拍子のありふれた校歌ではなく、こういうゆったりした曲に接することで 、形にはまらない、伸び伸びとした子供に育って欲しい、という願いを込めて作りました」。気がつけば、今日の会につかわれたチャイムもこのメロデイによっている。「著作権料を取りますよ」と私は冗談をいった。

思いもかけない旧知の方々も三重県ばかりではなく、遠方からも大勢来られて会場は満杯、終始暖かい雰囲気でオリンピックのメダルを獲得した選手の故郷入りもかくや、と思われるちょっとしたプチ凱旋将軍的気分を味わせてもらった。
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