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日本の鉄道の驚異 [鉄道あれこれ]

 われわれ、あまりになれっこのなっているから何とも思っていないが、日本ほど鉄道が発達し、庶民の交通手段として密着しているのは世界でもめずらしい、というより他に例がないのではないか。

  外国人に東京ー横浜という二つの大都市間を、東海道線、横須賀線、京浜東北線、京浜急行、東急東横線、それに新幹線を加えて6つの複線鉄道があり、それぞれに数分間隔で複雑なダイヤが組まれてどれも満員の客を運んでいる、といってもあまり本気にされない、というより、彼らの感覚からあまりにかけ離れているから想像がつかないのだ。新幹線が営業を初めて間もない頃、まだゼロ系だけで1時間にせいぜい8本くらいの列車しかなかったころ、ドイツの「世界の鉄道」という本の中に新幹線に関しておおよそこんな記述があったことでも分かる。
「まあ想像してご覧なさい、東京と大阪の間はちょうどミュンヘンとハンブルグの間のようで、そこでは毎時数分おきに出発する200キロで走る特急列車があって、人々はまるで市内電車にでも乗るような気軽さで、時刻表すら見ないで旅行している」ちなみにこの本が出た当時、ミュンヘンーハンブルク間は1日数本の特急列車があっただけである。私が留学していた1960年当時に至っては昼間の急行2本、夜行列車が1本あった程度。現在のドイツでICEネットが全国に張り巡らされて飛躍的に高速化が図られたダイヤでさえ、1時間に1本、というのが基本なのだ。これは現在のヨーロッパはだいだいこのパターンのダイヤの組方である。

 それと運行時間の正確さ。これはもう昔から世界につとに知れ渡っている事実だが、新幹線が1年間の遅延時間平均が1秒(!)これも誰にも信じてもらえない。ドイツ人と日本の鉄道で旅行すると、時折アナウンスで「本日は列車が遅れましてまことにご迷惑をおかけいたしました」おくれたのはほんの2,3分なのだが、彼らはあきれて、「ヨーロッパじゃ数分なんておくれたうちに入らない」そういえばドイツの鉄道は1時間おくれても「ご迷惑をおかけしました」というアナウンスきいたことない。

 実際イギリスで乗り継ぎの列車に1時間近くも見て座席券も取ってあったのに乗れなかった、ということも私は経験している。乗り継ぐはずの列車は遅延のアナウンスが何度もあってそのたびに違うホームへの移動を余儀なくされ、きりきり舞いさせられた挙げ句の果てにその列車は運転休止になってしまった。多分こんなことはざらにあるのだろう。日本なら苦情が殺到するところだがイギリス人は、と見るとあっけらかんとして気にもせず、カッカ来てるのは日本人だけなのだ。

 これほど素晴らしい日本の鉄道だが、未だにあまり改善されないことがひとつがある。1両あたりの定員が多すぎること。ヨーロッパの急行列車用の普通車は26.5メートル車で66人くらいが標準。日本の新幹線は25メートル車で車種により違うがそれでも85人前後。これでも昔の3等車の20メートル80人という標準に比べればがはるかにましなったのだが、未だに日本は一人でも多く詰め込めるだけ詰め込む、という国鉄時代の「のせてやる」思想から抜けきっていないように見える。オール2階建ての新幹線「マックス」。 通勤用に一人でも多くと3人3人というまさに飛行機並みのぎゅうづめ客車を設定したことがあったが、さすがにこれはあまりに不評で最近は姿を消したみたい。(当たり前だ、高い特急料金を取っているのにこの発想はいったい客を何と心得てるのだ)


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