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あらためて「新幹線はすごい」 [鉄道あれこれ]

 ときはゴールデンウイークのさなか、人はみなレジャーに出かけるなか、私は仕事のため3日から5日まで大阪に出かけました。

 新幹線はどれも満員で3日は夕方まで指定席はとっくに全部売り切れ。臨時列車がフルに運転されてもこの有様。私の予約席は定期列車の3分あとに続行する「臨時のぞみ」の8号車。普通の人なら何も考えないでただ乗るだけだが、私は鉄道マニア。新横浜駅で私の乗るべき8号車が到着したとき、先行の「定期のぞみ」が向かい側のホームを発車したばかりで、私は乗車しながらホームをはなれつつある「定期のぞみ」の最後尾の700系の特徴ある車両を確認した。私の「臨時のぞみ」が3分あとでこれに続行する、業界の用語でいう「雁行運転」。時速270キロで走る列車がたった3分あとに続行しても、まったく安全性に問題がないところが日本が新幹線の世界に誇れる独自のハイテク技術なのだ。

 次の停車駅、名古屋では私の「臨時のぞみ」の8号車がホームに完全停止したとき、先行の「定期のぞみ」を向かいのホームでやはり最後部の車両を同じ位置で見送った。たとえ数秒でもお互いの列車がずれればこんな風景はみられない。京都でも、下車駅である新大阪てもまったく同じ光景が寸分たがわず再現されるのだ。これは両方の列車が秒単位で完全に正確に運行されていることにほかならない。

 先行の「定期のぞみ」が万一事故や故障で急停車しても、私の乗る続行の「臨時のぞみ」は追突することなく、100パーセント確実に安全に止まれる、という技術的自信の絶対の裏付けられがなければこんなダイヤを組むことは不可能なのだ。私はこわくて乗っていられないはず。しかもこの2本の「のぞみ」は途中で「ひかり」や「こだま」を何本も追い越す。ただ速く走る、というだけならそれほど問題は起きないのだが、こういう離れ業が、毎日一度もシステムに狂いなく、運行される。こんなのは世界でも例がない。

(追記・よけいなこと)ドイツ語で臨時列車のことをEntlastungszugという。このentlastenという動詞は、「積み荷を下ろす」が転じて「肩代わりをする」というほどの意味を持つ。満員の重い列車の肩代わりをしてやる、ということなのか。面白いもののいい方をするなあ、と臨時列車に乗るたびに思う。


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makkie60

マサに日本の国鉄以来の伝統+面目躍如ですよね!でも、時期丁度あの尼崎での福知山線大事故の一周忌直後、私たちも便利さに隠れた”怖さ”を感じなければと思います。あの事故以来、日本人は少しの延着には大分寛容になったと思いますが、ヤハリ大阪伊丹空港では5分の遅れに怒っている人もいました!私は走れなく為って約20年、世の中ユックリ行くのも好いかナなんて感じるトシになりました。あ、福知山線はJR宝塚線が正式名称と言って居られる方は特に若い方に多く、又、尼崎は大阪府でなく兵庫県なのに、市外電話局番は06の大阪局!世の中、マ、矛盾だらけ・・・・・・?店子マッキ―
by makkie60 (2006-05-05 20:06) 

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