ピアニスト業はなぜつぶれないか? [ピアノ音楽]
このタイトルはご存じ、最近ベストセラーになった「さおだけ屋はなぜつぶれないか?」をもじったものである。この奇抜な題名につられて飛行機のなかで読むため、退屈まぎれに空港の本屋で買って読んでみた。読んでみれば中身はそれほどのことはなく、題名の付け方でどれほど本の売れ行きが違うかを立証したようなものだ。要するにたけざお屋という商売がつぶれないのは、「たけざお屋」という単独の商売で成り立つものではなく、ふつうの雑貨店が店のひまのときに自分の家のライトバンに積み込んで、店で売るより高い値段で売り歩き、売れなくてもともと、運良く売れればそれはそれで副収入になるわけだから「たけざお屋」という単独のビジネスで成り立ってるわけではないからつぶれることはない、というのがその趣旨。
これを読んで私は身につまされた。私は多少鬱病体質だからいつもこういう思考過程をたどるのだが、ピアニストという業も「たけざお屋」と本質的に似たようなところがあるのではないか。ピアノが弾ければ(上手か下手かはともかく)ピアニストの看板は掲げることは出来る。でもそれが純粋にコンサートピアニストとして単独で自分の生計を支えるほどの収入が得られるピアニストは世界でもまれであろう。どこかの大学や高校の先生をする、個人的に生徒を教える、あるいは気に沿わなくてもクラブやレストランでピアノらしきものを弾く、などなど・・・。いや、自分やそうではないのだ、ピアニストが本業で、生徒を教えるのは副業に過ぎないのだ、と虚勢を張るひともいよう。でも副業で教えられてる生徒はこれでは立つ瀬がない。副業で売り歩いているたけざおを買う人は、店で買うより高いたけざおを買わさせてるようなものではないだろうか。
ピアニスト、といっても税務署の書類には職業欄として「大学教師(格好をつけて教授、と書いたところで実態は同じ)」もしくは「中学校教諭」ときちんと書いて初めて税務署員に収入の高を納得させることが出来る。「ピアニスト」とかいても、一般の税務署員にはまったく収入の不安定な「ニート」に毛が生えたようなものとみられるか、収入が高いなら高いでこれはなにかいかがわしい仕事やってる、少し税務調査でもやって実態を調査するか、ということにもなりかねない。
かくて「ピアニスト」という職業は実態として存在せず、先生が収入の本業だが、折を見てピアノを弾く、すなわち折を見てたけざおを売り歩く、という雑貨屋と本質的に同じ、ということではないかと思うのだが、これも鬱病的発想か?
最近、暖かくなって来ました。初夏ですね~。ねっとさーふぃんでウロウロ…。で面白いページ見つけました~。(>y<)
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by ゆか (2006-05-07 00:06)