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浜松のショパン・フォーラム [ピアノ音楽]

 浜松で12年にわたって年一回開催されてきたショパン・フォーラムが今回でひとまず休会ということになった。そもそもこれは故寺西春雄先生が務められてこられた、企画監修という仕事を先生が亡くなられて私が引き継いだ格好になっていたもので、ショパンに関する講演、講座、コンサートなどをセットにしたイベントである。毎回、第一線で活躍する演奏家や講師陣を招いての企画は、それはそれなりに充実した内容をもち、ある程度浸透してきただけに私として残念な気持ちをいだきながら新幹線で帰途についた。

 これはどうやら市長選がらみの事情もあって、浜松の国際ピアノコンクールも含めて,昨今の財政事情から、音楽関係の財政を見直す、ということのようである。これはこのコンクールの立ち上げ当時からかかわった私としては複雑な気持ちなのだが、これらの仕事はどれも、私にいわせればこんなに金をかけなくてもやれた仕事だったのだ。役所主導型のこの種の文化事業は、「適正規模」ということを知らないようである。金をむちゃくちゃかけすぎるか、全くたりないかのどちらかなのだ。もっと適正な規模で、そこそこの予算でやっていたら長続きしたはずなのに。浜松の場合はアクトシティという「箱もの行政」で終わらなかっただけでも上出来、といわなければならないのだろうけど、こういう事業というのは長続きしてこそ、それなりの伝統と重みがでてくるものなのだがまだまだ日本の文化事業に対する取り組みというのは底が浅いといわざるをえない。

 国際コンクールの審査員を招聘するのに、航空運賃のビジネスクラスの待遇をする国際コンクールなど世界中でほとんどない。私は初めからエコノミーで充分、と主張したのだが浜松市の体面があったのかどうかその提案は受け入れられなかった。一事が万事である。
いい方向に変わってくれればいいのだが、私としてはそれを願うばかりである。


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