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日本最古の列車時刻表? [鉄道全般]

 本を整理していたら面白いものがでてきた。古い時刻表に混ざって見つけたものは:
      「明治23年1月1日改正列車時刻表」
明治23年といえば西暦1890年。きれいに書かれているが、活字ではなく、明らかに手書きである。1871年(明治4年)に新橋ー横浜間に日本ではじめて鉄道が開業してから、20年もたっていないのに日本の鉄道はここまで驚異的な発達をしたのか、という感慨がある。 以前のブログで私の手元にある時刻表のなかで一番古いもの、と申し上げたのは間違いで、さらに古いのがみつかった。何故こんなものが我が家に存在するかというと、もう数十年も前になるかと思うが、古い時代の時刻表の復刻が限定版として売り出されたものを資料として買っておいたのだが、その中に今のサイズで言うとA3くらいの粗末なザラ紙1枚の表裏に印刷されただけの簡単なものがあった。これを私はこれまで見逃していた。これには値段が書いてないし、発行年月日も空欄になっているので、一般向けに発行されたものかどうかも判らない。もちろん時刻表は鉄道が開通したときからあっただろうが、いつから一般向けに刊行、発売されるようになったのかは私は知らないのでご存じの方はご教示願えれば幸いに思います。

 このA3の1枚の中に当時の東京を中心とした列車の時刻表と鉄道図がほぼ網羅されている。これによると、東海道方面は新橋から姫路まで、東北方面は上野から仙台の先の塩釜まで、上越方面は上野から横川までと軽井沢から長野を経て直江津までが開通していた。

 急行列車というものはまだなくて、新橋ー神戸間には1日1往復の直通列車がある。新橋発16時45分、名古屋着が翌朝の4時40分、神戸着が12時50分。所要時間は約20時間。これを早いと見るか遅いと見るか。料金は新橋ー神戸間下等で3円76銭。まだ急行とは名乗ってはいないものの、小さな駅はいくつか通過している。当然蒸気機関車は石炭、水の補給をしなければならないし、1両の機関車で終着駅まではもたないから、機関車付け替えのための時間も必要。御殿場線の25パーミルなどでは補機も必要としたに違いない。ちなみに、主な駅の停車時間は静岡では5分、名古屋では20分、京都では4分。のちの時刻表から察するに、機関車の付け替えのためには4分ないし5分の時間でことたりたようである。

 地図にはまだ鉄道の開通していない先のルートまで簡単に書かれていて、主要都市間の距離が何里何丁、と示してある。主な区間の馬車連絡表もついている。そのほかにも当時の旅行に必要な情報がこの粗末な紙一枚にぎっちり詰め込まれていてなかなか興味深い。


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