信時潔生誕120周年記念講演 [洗足学園]
恒例の年2回のうちの、後期の講座です。ピアノを弾いている貴方は、日本人のピアノ作品をいくつ弾けますか。いくつ知っていますか。信時潔は山田耕筰と並ぶ日本作曲界の大先達です。山田耕筰も信時潔もピアノ曲はほとんど知られていませんが、その紹介も兼ねながら、日本の黎明期の作曲家の歴史をさぐってみよう、という試みです。
彼らがはじめてヨーロッパ留学から得たもの、日本人としてのアイデンティティの狭間に悩みながらも敢然とそれに立ち向かう姿勢から、私たちも学ぶことは多いのです。信時潔に関していえば、その系列の音楽家たちが、意外と洗足学園大学が創設された頃の歴史とつながってきて、話をお聞き頂くと、思ったよりこれは身近なおじさんなのだ、と納得されることも多いと思います。
11月6日(火)18:00 洗足学園音楽大学 Bリハーサル室 入場無料
おかげさまで無事有意義な会を好評裡に終了しました。おいでいただいた方々、ご協力くださった皆さん有難うございました。
2007-10-15 09:16
nice!(2)
コメント(7)
トラックバック(0)
信時潔は私の出身高校の前身の旧制中学で創立当初に卒業された大先輩になりますが、不肖の後輩としては「海ゆかば」の作曲者としてしか業績を知らないのが実情でした。
もっとも在学時には信時潔を顕彰するような動きが母校でさえなかった状態でした。今は見直されて顕彰する状況だそうですが。
いろいろなブロガーとやり取りしている中で、「実はうちの出身学校の校歌を作ったのが信時潔です」というようなことが分かり、そこで調べてみて多数の歌曲を作っていることを知り、最近になってピアノソロの曲も残しているのを知った次第です。
是非聴いてみたいものです。
by (2007-10-16 22:01)
江州石亭様
コメント有難うございます。信時潔は戦時中「海ゆかば」が国策に利用され、戦争に協力した作曲家として、今も不当な扱いを受けている、と私は思っています。新保祐司という人の著書で「信時潔」という本が一昨年出版されました。{構想社)ご興味がおありでしたらご一読されるとよいかと思います。今回の講座も知られていない素晴らしい信時作品をご紹介するのが目的です。音楽学生や先生向けの講座なので多少専門的にわたる部分もありますが実際に演奏を交えながらの話ですから一般の方にもお聞き頂ければ嬉しいです。
by klaviermusik-koba (2007-10-17 08:52)
新保祐司氏の「信時潔」の書籍は図書館で一度借りたのですが、眺めたというのが実情でした^^;
信時潔について以前私もブログで取り上げたのですが、その際に、孫娘の信時裕子さんが下記で「信時潔研究ガイド」ホームページを管理されているのを教えてもらいました。既にご存知かも知れませんが・・・
http://home.netyou.jp/ff/nobu /
>実際に演奏を交えながらの話ですから一般の方にもお聞き頂ければ
地方で職を持つ身ですので先生の講座を拝聴することが叶わないのは本当に残念でなりません。でもテンプラ学生で講座を覗きたい衝動は残っています^^)
by (2007-10-20 11:16)
裕子さんからは私もいろいろと知らない事を教わっています。去年信時潔のコンサートをある地方都市で一晩企画した時にもいらして頂き、聴衆のかたがたにも、信時潔にまつわる話も伺いました。日本人で音楽に携わるものはこういう貴重な話は語り継いでいかなければならないと思っています。
by klaviermusik-koba (2007-10-20 11:49)
もちろん「信時潔」は何度も読み直しています。いただいた「海ゆかば」もです。当たり前のことですが、私は音楽家なので、私独特のものの感じ方もありますから、もちろん、いろいろのことを参考にはしますが、よってたつのは私の感性によるしかない。それ以外はことごとく人の意見の受け売りに過ぎないでしょうから、人の意見の集積だけでは聞く人も面白くないでしょう。
いろいろと宣伝にお骨折り頂き有難うございます。なるべくいろいろな層の方に聞いて頂きたいと思っています。
by klaviermusik-koba (2007-10-26 22:18)
前回のメンデルスゾーンもとても勉強になりました。(特に「厳格な変奏曲」) 前々回のベートーヴェン「ハンマークラヴィーア」終楽章のアナリーゼも「楽曲分析の根本」を徹底的に教えて頂き、『ベートーヴェンの魅力』を再認識させて頂きました。本当にありがとうございました。
今回の「信時潔ピアノ曲」は、心も真っ白にして教えを乞いに伺います。今回もご教示の程よろしくお願い申し上げます。
by 高本秀行 (2007-11-03 21:59)
有難うございます。毎回行き届きませんが、私もこの講座を担当させて頂いて自分自身の成長にも役立たせて頂いています。
by klaviermusik-koba (2007-11-04 21:34)