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私とCD [ピアノ音楽]

ときおり、これまであれだけ演奏活動をしてきたのにあなたのCDはないのですか、とよくきかれます。実は周りの人からももう年だから、いつ死ぬかも知れないからCDの一つくらい残したら、とも云われますが、私は自分の録音を死んだ後も残したい、とは金輪際思いません。なんか、自分の録音を聞くのは、自分の姿を鏡に映してみているようで、とても堪えられないのです。そうはいっても、こんな時代ですから、あちこちに私の録音は残っていますし、これまでも頼まれてレコーディングもいくつかしましたが、これらは出来ればすべて消えて欲しい、と願っています。まあ、死んだ後、あんなに下手なピアノを弾いていたのか、と笑われても当事者はもういないのだからどうでもいいこと、という気もしないでもないのですが。でも生徒や家族たちには、私が死んでも没後何周年記念、とかいって録音を集めてCDには絶対しないよう、厳重に言い渡してあります。私のピアノは私の死とともに消える、そして自己完結する。多少オーバーにいえばこれが私の美学でもあります。    

ただ、自分で書いた多少の曲や、かなりの数に上る編曲類は、これは物理的には残ります。これらについては、ピアノの演奏よりはいくらかマシかもしれない、これが一冊の楽譜になったら、見る人が見れば案外面白いと思う人もいるかも知れない。それはそれで自分が生きた証、として残ってもまだしもだが、ピアノだけは絶対いやだ! (やはりこれはウツ的発想かな・・・)


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コメント 4

イトバク

では学生時代に記録させて頂いたレッスン中に先生の弾いて下さった箇所は貴重な資料ですね~!
by イトバク (2007-10-18 06:18) 

klaviermusik-koba

ええ、でも多分これはゴミになるでしょう。
by klaviermusik-koba (2007-10-18 11:50) 

makkie60

30余年前、世田谷区民会館で師匠とUY氏のブラームスの1番ヴァイオリンソナタのレコーディングが私の譜めくり人生の始まりです。その後、何度お手伝いしたか、多分師匠は殆んど全て忘却のかなたと思われますが、文化会館(大)やNHK”夕べのリサイタル”などなど・・・・・ギャラは当時の下宿生活故か、”壁の穴”のパスタ、六本木”瀬莉名”のシャブシャブなど、食べるものが多かった!!これも御時世なんでしょうか(手だったりして・・・ん)?でも仲間に悪評のだった割りには、私にとって結構舞台マナーやお二人のやり取りの中で、結構室内楽の勉強になったことも事実です。ブラームスと”春”のレコードは未だ甲東園の実家にて健在。音楽は永劫、なかでレコードとかCDは或る一瞬の時間的歴史的な記録には過ぎないのカモ知れませんが、時に過ぎ去った日の”若さ””情熱”、たとえそれが今では多少の陳腐さや幼さを伴っていても、ヨスガを考えれる方々は幸せと思いますが・・・・・・店子マッキー
by makkie60 (2007-10-21 11:56) 

klaviermusik-koba

すべて忘却の彼方・・・忘れられるから人間は生きてゆけるのでしょう。いちいち自分の具合の悪いこと、忘れられる人が演奏家になれるのだと思います。幸せな人たちだなあCDを残せるひとは・・・。
by klaviermusik-koba (2007-10-22 18:10) 

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