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大成功!札幌大谷第2回定期演奏会「バッハの夕べ」 [札幌大谷大学]

 いったいこんなにうまく行くことがあるだろうか。バッハだけのプログラムで大学の教授陣、学生、聴衆、一体になったバッハのカンタータ140番。合唱はほとんどが副科の学生でビオラなどは去年からはじめて楽器にさわった、というものさえいる弱体な集団がここまで達成できたのだ。私の「バッハ」企画の最大のねらいは、この無気力な学生の多い大学に音楽の巨大な魅力を知ってもらうのは、いくら音楽について演説などしても駄目で、バッハのこの曲の最後の感動的なコラールをともにうたい、合奏してもらうしかない、ということにあった。そしてこのねらいは大当たりした。このステージで私は舞台にこそたたなかったが、リハーサルは全部立ち会い、通奏低音はもちろん、歌い手のパート、果ては指揮のニキティンのテンポにまで、ことごとく細かい注文をつけた。なんとか無事に演奏できれば上出来、との私の予想おおきくはずれ、聴衆をも巻きこんだ感動的な演奏になった。もちろん、ヴァイオリニスト、ニキティンの音楽力に負うところがおおきいのはいうまでもない。最後のコラールでは私はいつも涙が出る。

 もう一つの思わぬ成功は私の編曲した2台ピアノ8手連弾の「4台チェンバロのコンチェルト」。選ばれた4人のピアノ科の学生たちには、私はほとんど手をつけるひまがなかったが、ラントシュ先生をはじめ、何人かのピアノの先生たちが総出で学生たちの指導に当たってくれた。彼らは完全に暗譜をし、単にミスがなかった、というだけでなく、オーケストラとともに、躍動的なリズム感で演奏された。ここで私がした主な仕事は、オーケストラを指導し、まとめ上げること。彼らは良くそれに応え、本番の演奏は、私は後顧の憂いなく指揮をとることが出来た。手前みそにはなるが、私のこの細部までこだわった管弦楽付き編曲は私の理想どおりの響きとして実現されたのは何にもまして嬉しかった。

陰になって一体になって、複雑なステージの設定、学生のステージマナーの指導、(どうやってステージにでるか、どうやってお辞儀をするかさえ知らない)などすべてにわたってやってくださった先生方のご苦労も私はずっとつぶさに観察してきた。責任者として心からお礼申し上げます。

私はピアニストとしては凡人だが、ことによるとプロモーターの天才ではないか?


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makkie60

オメデトウございます。今朝、Yahooのサービスの方が見え、当方高岡仕事場のPCが開通し、始めてのNotePCで送信しています。タッチがデスクタイプよりカナリ軽いので、結構ミスタッチしています。先生の大喜びして居られる顔が見れるような”Blog"でした。その場に立ち会いたかった気がします。ホントですよぉー・・・・・私方もセンセイのお達しの如く、移動は車イスを使用し(何とか杖歩行でもできたのですが、特急停車駅でありながら、エスカレーターは基より、荷物運搬用のエレベーターしかない高岡駅への皮肉も少し込めました。新幹線が来ない駅の現状!)でも、思いのほか会場の観衆もノッて呉れて結構当方も感激していました。ギャラは某国営放送局並みで、作曲家と主催の市が少し揉めてるみたいですが、楽しかったのは事実です。人間、何か出来る琴があると、違いますネ!この処、舞台がなく、又弟子も日に日に減って、カナリへこんでました。でも、今回の催しで結構昔の教え子が関西や新潟から来てくれたり・・・・地域のケーブルTVが録画していたので、DVDでも貰えたら、と勝手な考えをしています。普段より体調不良の分、確かにマシな演奏だったカモ・・・・私たちの特効薬は舞台かも知れない、と少々まだ興奮気味なのでしょうか?センセイもお疲れが残りませんように!以上、雪の富山高岡から店子マッキーの報告でした・・・・・・・・
by makkie60 (2007-12-04 19:00) 

klaviermusik-koba

ええ、まあ人間何か目標がないとなかなか生きていけない動物みたい。ただ生きることと、子孫を残すだけの一般生物に比べて、幸せなのか不幸なのか・・・・。わかりません。日常生活の金さえどうにかなれば、というものでもない。

ある年までは自分のピアノだけが目標だったけど、あるところからは、これまで培ってきたものがどれだけ人の役に立てるか、という心境になってきました。来年の定期演奏会のアイデア、またぜひ考えてください、といわれてるけど、あまり私がやりすぎると、また独裁政治、とかいわれかねないから、痛し痒しではあるのです。
by klaviermusik-koba (2007-12-05 08:58) 

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