もうこれも懐かしいものの一つ [メルクリン]
日本の新幹線から0系が第一線から姿を消してだいぶん時間がたつ。日本の新幹線の圧倒的な成功を見て、ヨーロッパでもフランス、ドイツが高速列車の開発に本腰を入れ始めた。しかし彼らは日本のやりかたをそのまままねをしようとはせず、彼らなりのやり方で高速列車の実験を始めた。ドイツもフランスもずっと機関車牽引方式にこだわった。しかしやっと最近では日本の動力分散方式の良さが彼らにも理解されだしたようである。前にも書いたが、機関車方式がいいか電車方式がいいかは、その使われ方に左右されることが多いから一概にどちらがいい、とは断定できない。
何しろもともとヨーロッパは標準軌だからとっかかりは日本よりはるかに楽である。この分野はドイツではとっくの昔に330キロの高速記録を達成したフランスより慎重で、すこしづつ成果を上げていった。とりあえずこれは時速350キロを達成した実験車である。現在ではICE(InterCityExpress)というすっかり定着した略号と同じだが当時はInterCityExperimentalの略号だったのである。
当然ながらメルクリンはこれをすぐ製品化した。機関車2両、客車2両の4両セットなのに、両方の機関車にモーターがついている。さすがに、いくらなんでもこれは無駄だと思ったのか、あとから製品化された第1世代のICEは実物は両端が動力車だがメルクリンでは片方はダミーとなっていたように思う。これもいつから我が家に存在していたのか、いまとなっては記憶が判然としない。
でもこれは当時としては抜群の整備で、ライト類はすべて点灯、モーターはいま見ても最高のものが使われているものの、やはり時代がかっている印象はある。客車が全部24センチで出来ているので寸詰まりの感はぬぐえない。これは2両の機関車とも動力車であるところを見ると長大編成を見据えたものであったに違いない、と思われる。この頃はすでに24センチ客車は時代遅れのものになっていたのにあえて、24センチにしたのはそういう理由からであろう。
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