ショパン管弦楽曲の編曲

　このところ、ショパンの２つのピアノ協奏曲を弦楽４重奏版の伴奏で演奏されることが多くなった。今日の日本ショパン協会の理事会の中の雑談で、ショパンのほかのオケ伴付きの曲もそんな楽譜があればいいのに、という話が出た。

　私は即座にいった。「そんなもの必要なら自分で作ればいいし、誰がやっても簡単にできますよ」。

　「クラコヴィアック　Op.14」「ラ・チ・ダレムの主題による変奏曲　Op.2」「イ長調の幻想曲　Op.13」いずれもオケ版付きの曲だが、そういえばどれもいい曲なのにに演奏されることが滅多にない。「これの弦楽四重奏の伴奏譜があれば、もっと演奏される機会がふえますよ」。じつは私もそこまで考えつかなかったが、「じゃあ私がその編曲版を作ります」とみんなの前で宣言した。

　 安請け合いをしたものの、細部のところまではよく憶えていないので、帰宅してから心配になってスコアを広げてみた。予想よりはるかにプリミティブである。こんなものならその気になりさえすれば１日１曲は出来てしまいそう。もうすでにスコアを一覧しただけで頭の中では出来てしまったから、あとは書き付けるだけの手間しか残っていない（とはいえ、手間は結構大変、パート譜づくりも考えると）。編曲者としては腕のふるいようがないほど何でもないものなのだが、（とはいってもオーケストレーションの初歩的知識くらいは必要）どうしてこれまで誰もやってこなかったのだろう。それでも、これをスマートな編曲に仕上げる、という楽しみはまだ残されている。

（追記）アンダンテスピナートを含めた４曲を全部弦楽用に編曲して，パート譜を日本ショパン協会で保有し，有料で貸し出しをしたら，貧しいショパン協会の財政も少しはうるおうかな？まあ無理だろうな。

コメント 4

こんにちは＾＾
>誰がやっても簡単に出来ますよ。
???
簡単に?
うらやましいです。
昨日、チャイコフスキーの花のワルツ等、全4曲、初心者用６手連弾のレッスンをしました。親子三代の思い出のCDを制作するそうです。
ババ（自称）&娘&孫のコンビ。
使用していた楽譜の音がなんか物足りなくて、その場で音を加えてみること数箇所。
主に娘さんのパートに音を追加し、その場で実験。まぁ、成功。
あー、こういうのって楽しいと思いながら、レッスン後、自分で楽譜を書いてみる余裕がありません。
先生の足もとに及びたいです・・・・・いつか。
ショパン、楽しみですね。ピアノ伴奏譜、拝見したいです。

PS：
短期決戦、Beeth/OP106は覚えられたのに、Brahms/頭に収納難状態です。
（大汗;）
落ち着いてやってみます。
by ake_i (2008-07-25 10:05) 

いえ、この編曲ならあなたでも間違いなくできます。トゥッティ以外はほとんどスコア丸写しでいいのですから。ただショパンのオリジナルがそのままではうまく響かないから、３０人の弦楽合奏をそのまま５−６人編成に持ち込むと弾く方も苦労する割には効果がない、ということもありますが、マニアックにならず、とりあえずそれらしい音がでる、という意味では誰でも出来ます。

編曲は、楽譜どおりではどうも物足りない、もう少し何とかならんか、という発想から少しづつ出来るようにはなるものです。習うより慣れろ。
by klaviermusik-koba (2008-07-25 12:24) 

録音でもあまりありませんし、ましてや生で聴く機会がほとんどない曲ばかりなので地方でも聴けるチャンスがあるのではと期待され、とても楽しみです＾＾
よろしくお願い致します！！

by 江州石亭 (2008-07-26 08:01) 

弦楽合奏で演奏できるパート譜があることで，あまり知られないこれらの曲がもっと演奏されるようになるといいなあ，というのがそもそもの発想で，「ラ・チ・ダレムの主題の変奏曲」は、はじめてこの曲を見たシューマンが驚愕し、「諸君、脱帽しなさい、天才があらわれた」という名文句で世に紹介したことで知られているもの。

でも現在演奏される機会はほとんどありません。弦楽合奏の伴奏で上演が容易になれば、私の喜びはこれに過ぎることはありません。これらの曲は第２ピアノの伴奏ではその持ち味はでないのでダメなのです。小編成であっても、聴衆に不満を感じさせない編曲を、と意気込んでいます。
by klaviermusik-koba (2008-07-26 09:15)