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ピアノ科卒業生の就職先 [ピアノ音楽]

 これは「ピアノ音楽」の分類にははいらないと思うが、卒業生が音楽大学卒業後、どんな仕事をしているか、という内容。私のクラスは、先生があまり物事にこだわらない、ということが学生たちに幸いしているのか、不幸にしているのかわからないものの、はっきりしているのは、彼らはピアノを弾く、ということを中心におきながらも実にいろいろな分野に進出していることで、これには先生である(もしくは先生であった)私も触発されることが多い。

 今日も一つ面白い、というと失礼なのかも分からないが、ニュースが飛び込んできた。S子さん。女性である。少し前に、実は自衛官に応募しました、という事後報告があった。もうやってしまったあとだから、私が反対したからといってどうなるものでもないが、今日合格しました、という報告があった。少々のことでは驚かない私も、え、自衛官になってどうするの、という懸念はあったので、実際の仕事の内容を聞いてみた。

 まずなにより彼女はピアニストである。それも優秀なピアニストなのだ。それ以外に、彼女はクラリネットも演奏できる、作曲も編曲も出来る、という才媛なのである。それと、自衛官、というのが私の頭の中でどうしても結びつかなかったので、一体どんな仕事をするの?と聞いたら、自衛隊の楽隊を指導するのが主な役目、という。まあ彼女のことだから軍楽隊の指揮くらいは出来るのであろう。面白い着眼点だなあ、と私もその思いきりの良さに感服した。そりゃ面白いのじゃないの、とつい言ってしまった。

 ところが、である。そうなるまでにはかなりのハードルがあるみたいなのだ。一応自衛官がやらなければならない仕事はまず一通り体験しなくてはならないらしい。軍事演習も一般の自衛官とともにやらなければならない。音楽学校出の先輩も何人かいるらしいが、相当ハードでまずみんな10キロはやせる、という。とうとう音を上げてやめてしまったのもいるらしい。でもそうなったからには彼女には頑張ってもらうしかないが、それをクリアできると、結構、彼女の本領が発揮される分野ではないか、という気もするがこればかりは、私は自分自身はもとより、知り合いにも例がないからどうなるのかはなんともわからない。

 自衛官はしかし同時に国家公務員でもある。その身分の保障されたところに目をつけた、というところがユニークなのだが(ピアニストとしては)、「国家公務員というのは、結構大変な制約があるのですね」というから、今は独立法人になったからどうなっているのか知らないが、私もあなたを教えていた頃は教授といえども国家公務員だったから、たくさん行動の制約があったよ、と逐一話したらへーえ、そういうものなのですか、とびっくりした様子だった。
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