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ICE−3の事故 [鉄道一般]

 大事故に到らなかったから日本では報道されなかったが、ICE-3が全部一時運休を余儀なくされる事故が発生していたらしい。ICE518 (MünchenーDortmund)の中間動力車の動力軸が車輪との継ぎ目で折れて運行不能になった、というぞっとする事故だ。EISENBAHN-KURIER9月号の記事だからご覧になった方もあるかも知れない。事故車は403型で以前大事故を起こした初期型とは違い、比較的新しいものだが、またもや車輪がらみの事故である。

 記事によるとおよそこういうことらしい。7月9日Köln Hbfを出発してまもなく、異常に気づいた乗客が二人ほぼ同時に緊急ブレーキのレバーをひいたが、その直後列車は脱線して停止した。発車直後でスピードもでていなかったので脱線以上の重大事故にはならなかった。原因は先に述べた車軸折損である。ただちに、403と406は全部運転休止となり、検査のためにDortmundに集められた。最新型のICEは国際列車対応なので、影響は国内はもとより外国にまで及び、フランスやベルギー、オランダ行きの列車も、かなりの数が運休となった。

 前回の事故では原因が車輪のタイヤ、ということだったが今回は車軸である。今回の場合は動力軸なので車輪との接点に負担が予想外にかかっていた、ということなのだろうか。ICE-3も 新幹線と同じ動力分散式だが新幹線でこういうトラブルはこれまで聞いたことがない。ICE-3に関する限り、車軸は300,000キロまでは大丈夫と証明されているものらしいが、これも見直されることになろう。新幹線の方が動力軸に関しては歴史はずっと長いが、新幹線は何キロごとにこの検査を実施しているのだろうか。
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コメント 7

HUH

ケルンの手前から異常な振動や騒音があったという証言があるようですね。ケルン中央駅を発車する、低速での事故だったのが幸いですが、直前に走っていた高速新線で同様なことが起こったらと考えると、ぞっとします。

ICE 3は車軸の超音波検査が30万キロ毎から6万キロ毎に短縮されました。67編成中61編成がこの基準に引っ掛かって、運用から離脱して検査を受けましたが、結局ほかの編成では異常は発見されませんでした。事故後、1週間ほど影響はあったようですが、現在は正常運行に戻っています。原因がはっきりしないのが心配ですが。
by HUH (2008-09-14 13:43) 

klaviermusik-koba

この列車が前の検査を受けてからどのくらい走ったか、検査期間を短縮してどうにかなるほど、金属疲労検査というのは確実なものなのでしょうか。これと、同じように心配なのが航空機の主翼の付け根の金属疲労ですが、列車の場合はたくさんある車輪のうちの一つでも見逃したら大事故につながるのでよりこわい、といえるかも知れませんね。

これが中国や、ブラジルのように、ノウハウの積み上げのない国で300キロ運転が当たり前になると、そのあたり大丈夫か、という気はします。
by klaviermusik-koba (2008-09-14 18:00) 

HUH

専門家ではないですので、全くの素人考えになってしまいますが、車軸の超音波検査を行うことや、その検査機関を短縮することは、現状でのベターな方法ではあってもベストではないと思います。どんな方法を、どれだけやっても、絶対に確実にはならないでしょうが、現行の検査体制で見逃されたことがあったのなら、さらに体制を厳しくすることで現状よりは見逃しは減る可能性が高い・・・・ということでしょう。
私の仕事の世界でも、採血だのX線だのCTだのMRIだの、と数えきれないだけの検査がありますが、どれだけやっても、悪いものが見つからないことはありますし、見つからない異常には対処のしようがありません。ただ、検査を色々と組み合わせて、見落とされるの可能性を下げる努力はできます。それこそ、検査の間隔を縮めたり、いろいろと組み合わせたり・・・・鉄道も同じことなのかな、と想像します。
検査結果を解釈するのは人間ですから、そういう意味では経験は大事でしょうね。ノウハウのないところでは大丈夫か、というのも分かる気がしますが、結局は走らせていく中で積み上げていくしかないんでしょうね。とはいえ、ボーイングやエアバスの航空機が普通に中国やブラジルで使われていることを考えれば、(高速鉄道の開発においてリードしてきた国々には劣るとしても)高速鉄道を運行することは十分にできるかと思いますし、またノウハウの積み重ねの中で独自の進化を遂げる可能性もあるのではないか、と感じます。日本の鉄道技術は今や世界一といわれますが、スタートはイギリスやアメリカからの技術伝承だったことを考えられば、50年後はどうなっているか分かりません。
by HUH (2008-09-14 20:14) 

klaviermusik-koba

 まったくおっしゃるとおりです。bestというものはなくて、betterがあるだけだ、ということには全く同感です。betterと思えることの地道な積み重ねが、日本は世界一の長寿国といわれるいまにつながってきたのですね。阪神大震災の時も、運が悪ければ新幹線も大事故になっているはずでした。

 人間の知恵でどれほど気をつけていてもときに惨憺たる結果につながるのは、ただただ運が悪い、というしかありません。これは人間の知恵を超えたもので、主のみ旨、と呼ぶか、阿弥陀如来の思し召し、と考えるか、宗教、哲学の領域でしょう。

 個人的なことをいいますと、おかしい、と思って一度受けた検査で腫瘍が発見されて、いままだ生きているのが私で、何度も検査をやっているはずの知人がずっと見過ごされてつづけてあるとき進行がんといきなりいわれた、これはもう誰が悪い、というものではないのでしょう。
by klaviermusik-koba (2008-09-14 21:19) 

HUH

若輩者の私がいろいろと申すのはただただ恐縮してしまうのですが、bestは未来が分からないと実現できないのではないかと思います。そしてbestが見えないが故に人間はbetterを目指し、そのことで進化できるのではないか、、、、でも、実際にはbetterと思ったことが実はworseだった、そんなことは私の世界でもよくあります。それどころか、結局betterだったのか、worseだったのかも分からないことが世の中には沢山あるのでしょう。
私なりの短い経験の中でも、あまりにも気の毒で悲くて、仕事中に思わず涙がこぼれそうになったことがなどかあります。本当に仰る通りで、人間の知恵ではどうしようもならないことが沢山あることを感じます。人間はそういったことを解決するために、神仏を必要としているのかもしれませんね。
by HUH (2008-09-15 01:07) 

klaviermusik-koba

better だかworseだか、わからない、しかもその曖昧模糊とした結果の評価も人により時代により異なる、芸術の世界はほとんどがそれです。

医療の世界は全く素人ですから分かりませんが、新薬が発見されたとして、新薬の効果のおかげで副作用で1年間苦しんだが長生きはした、新薬の恩恵には浴さなかったが、2ヶ月で亡くなったけれど苦しまないですんだ。

どちらの人生を選ぶかは患者の置かれた立場と人生観によって違いますし、あらかじめ選んだとしても結果としてどうなるかは誰にも分かりません。ICEの話からだいぶん飛躍してしまいました。この話ますますそれこそ脱線しそうですので、いずれ機会を得てまた。。。HUHさん、ありがとうございました。
by klaviermusik-koba (2008-09-15 09:07) 

HUH

こちらもすっかり脱線してしまいましたが(元が脱線事故の話題だけに?)、大変勉強になりました。有難うございました。
by HUH (2008-09-15 11:46) 

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